【ゲゲゲの謎】同僚が知らん男と子どもを抱えて帰って来た (ページ1)

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1話ページ1

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周りの奴らが雑談をする中、私はじっと眼の前の書類とにらめっこする。

御社と契約する為に私達一同はうんたからんたら
その為女性に御任せするにはどうたらこうたら

なんて内容が小難しい言葉遣いで綴られている。

率直に言おう。
此奴の会社早く潰れちまえ。

女が嫌なら面と向かって文句を垂れればいいのに、書類一枚で済まそうとしているのが大変腹立たしい。

悪かったな、女で

私もお前の会社なんか知るか阿呆

溜息を付きながら机に突っ伏し項垂れる。

またこれか。
社長に一体何て説明すればイイのだろう、相手が女が嫌だから私では契約出来ませんでした－!!ってか、巫山戯てる。

女は未だまだ形見が狭い世の中である。
大人しく嫁になるために修行しろと親に言われたが、私は早く社会に出て自由になりたかった。
最も、この世の中自体が自由から掛け離れているのだが。
　

(この会社に入れたのも運が良かった、ってだけだしなぁ)

私が項垂れる姿を嘲笑う気配を感じる。
懲りずに人を馬鹿にして楽しいのだろうか。

私がこの会社に入社出来たのは、車に轢かれそうになっていた社長を助けたのが縁だった。
御礼がしたい、と言うので自分を必死に売り込み何とか入れてもらったに過ぎない。

まぁ、利用できるもんは充分使わせて貰うだけ
項垂れてる暇など無い、仕事を成し遂げて奴等を見返してやらねば気が済まない。

私を見下す視線を感じながらふと思い出す。
隣の席の水木とかいう男のことを。

水木という男は、他の奴らと違い私を蔑むことは無かった。
と言うより、出世することで頭がいっぱいで私に興味が無いと言うのが正しいだろうか。

奴は上を見ることで精一杯らしかった。
良い噂のない、場所も分からない哭倉村に行ってそれきり音沙汰が無い。

(出世の為に命落としたら元も子も無いよなぁ、くわばらくわばら)

同時に、私も上を見るので精一杯で水木とかいう男の事を考えるに暇なんてないのだ。

出世して見返してやる、私は幸せになってやるんだ。

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「手を貸してくれないか」

雨の日の事だった。
家で仕事に失敗したことに怒りと嘆きを感じながら酒を煽っていたら

死んだと思っていた同僚が茶髪の子どもと白髪の男を釣れて家にやって来た。

「は？」

というかこの人、白髪だったっけな……黒髪じゃなかったっけ。なんてぼんやりと、そう思った。

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