雪の結晶【紅一点】3 (ページ5)

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そんなこんなで同じ事務所にいると知った山木はというと…

特に行動を起こすでもなく今までのような練習に明け暮れる日々を過ごしていた。

この時点(12歳)では尊敬する先輩に“中島健人”と挙げていた。(まだ話したことはない)

中島と話すようになったきっかけは事務所でもレッスン場でもステージ裏でもなくなんとテレビ局。

この時は滅多にテレビに出演することがなかった山木と

本当に偶然関西のテレビ番組に出演するために関西に来ていた中島がテレビ局内で遭遇。

まだ実際に会ったことはなかったが遠くを通り過ぎた中島のオーラを感じ取った山木は

ライオンが獲物を捕まえるかのごとく中島の方へ全力ダッシュ。(中島の後日談)(何度も言うが当時12歳)

『すいません！あの中島健人くんですよね？私、同じ事務所に所属している山木Aと言います！

　中島くんのこと本当に尊敬してます！会えて嬉しいです！

　いつか同じステージに立てるように頑張ります！では！失礼します！！』

流石の中島でもこの時は何もできなかった。

というよりアクションを起こす前に山木が一方的に話し続け嵐のように去って行ったのだ。

事務所に女の子が入ってきた！と顔も名前も元から知っていた中島。

会ったのはこの日が初めてだったが、可愛い女の子にこんなことを直接言ってもらえて嬉しくないはずがなかった。

ただこの時中島は

あんな遠くから結構なスピードで走ってきて一切息切れせずに一息に話してたぞあの女の子。体力やば。

しか頭になかったという。

そんなこんなで強烈な印象を与えた山木はその後中島にたいそう気に入られるのだが、この時はまだ知らない。