1回目 ページ1
入部してから
3年目
先輩達のタスキを俺は背負っていた
それはもう今日で最後
この部活が好きだった
先輩たちの世代までは
雨が降ってる
「大切な日なのに」
そんな声がした
多分、こう答えるのは正直1人しかいない
.
.
.
.
少しだけ安心したんだ
テニスコートをみてて
嫌になった。あの日からずっと、
なんかお風呂の栓みたいなものが
ポンってとれたような
そんな感じがあった
ちらっと彼をみた
同級生と話してる
笑ってるように見える
「残念だな」
思ってなさそうな言葉を彼は言う
嫌になって視線を外した
「先輩は、…テニス続けるんですか？」
多分、居心地が悪いんだと思う
なんとか話題を、と思って
話しかけてくれたんだと思う
後輩がそう聞いてきた
でも、俺は
何も答えることができなくなった
［どうせこの試合は勝てないよ］
彼はボールを追わなかった
あと少しで追いつけたはずの点数
［俺さ、テニスなんて遊びでやってんのにさ、そんな熱くなるお前が嫌いなんだよ。］
信じてたのに
そう思ってしまった
ひとりで帰る道はいつもより長く感じた
「…ダブルスか」
好きだったのに
俺が主将になってから
何が変わった
みんな気を抜き始めた
練習に参加も少なくなった
俺だけ、仲間はずれにされたような
.
.
これで、みんなともおさらばだよ
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作者名：ゆきぴょん | 作成日時：2017年10月20日 20時
