クズ達に本気を出された結果。

息つく暇もなし ページ10

……





硝子の素晴らしさを知って、私は一人で黙々とお菓子を食べていた。


……あ、このクッキー美味しい。





(……んー、)








…………。





……。





…。







(……だっっっめだフラッシュバックする！！)





無心でお菓子を食べてるとあの二人がフラッシュバックしてしまう。


私の脳内を満たすのは可愛い女の子だけで十分だよ！高身長イケメンは頭の端にいてお願いだから！！





『はぁ……何かもう侵食されてる気がする…』



「へぇ、誰に？」



『勿論夏油と五条だけど？』



「マジ？じゃあそのまま染まっちまえば良いんじゃね？傑が居んのは気に食わねーけど」



『いっ、いやそんな恥ずかしい事できるわけ、


………………ん？？』





私が先程から話しているのはどちら様で、





「よっ、Aは見かけによらず俺の事がそんなに好きなんだなー」



『……………………っ！？！？』





目の前に五条が座っていて、吃驚してガシャッと足を机にぶつけてしまった。痛すぎる。





『何で五条が此処に、任務なんじゃ、』


「ンなの終わったに決まってんだろ。特級呪術師様に不可能はないんですー」





………………マジで？？





「それより、誰が誰に侵食されてるって？」


『えっ、ぁ、えと、それは、』


「お前の口からハッキリ言ってもらわねーと気がすまねーんだけど？」





俯いていると、五条がいつの間にか移動して直ぐ傍に来ていた。


椅子に座っている私の傍に五条がしゃがんでいて、コチラの顔を覗き込むように見てきている。





「因みに俺以外の名前だしたらお仕置きな」


『は……っ！？』





そんなの出しても出さなくても同じじゃない！？





「大丈夫だって、俺の名前出したらご褒美あげるからさ？」


『ひ、ぇ、』





私の頬を両手で掴んで、顔を近づけてくる五条。


ちちち近い、近いよ距離が、近すぎるってまるでキスする直前みたいじゃん待って、





『待って、五条、恥ずかしい、っ』


「………このタイミングで煽ってくるのヤバ」





近すぎる顔を見たくなくてギュッと目を瞑ってそう言うと、五条をふぅ…と溜息をついた。

すると、ふわりと衣擦れの音がして…



ぬるり、と耳に何かが這わされた様な感覚がした。






『……っ、ぅ！？！？』






本気で驚いたりすると声が出なくなる、とか言ったりするが、正に今その状態だった。





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