クズ達に本気を出された結果。

豹変 ページ43

……





翌日。





『おはよう硝子！』


「お、A。おはよ。昨日はどうだった？」


『うん最悪！』





坊ちゃんとの任務の愚痴を言いながら硝子の隣の席に座る。


すると、悟と傑がジトー、と見てきた。





『ちょ、悟に傑？何なんだいその視線は！』


「いやAの事だしまた落としてんじゃねーかって」


「Aは通常運転のまま無自覚で落とすからね…」





落とす？坊ちゃんを？え、どうやって？何、坊ちゃんを奈落の底に突き落とす的な？それとも恋愛的に落とす的な？





『……どっちも有り得ないだろ』


「そういやまだ来てないね、アイツ」





適当にさしす組と喋っていると……






ガラッッ、
ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯｯ､
ぎゅむっっっ、！！






『うおうあああ！？！？』





急に扉が開いて、誰かの足音がして、その足音が近付いてきて。



そして次の瞬間、抱き締められていた。



…………って、ええええ！？！？





『だっ、だ、誰！？』





吃驚して身を捩らせると、視界の端でサラリと揺れる金髪。え、もしかして、





『ぼ、坊ちゃん……？』


「嫌やなぁ、そんな堅苦しい呼び名ちゃうくて…直哉って呼んでや？Aチャン？」





えええええ！？！？



耳元で囁いてくるこの声は完全に禪院直哉の物。いやめちゃくちゃ甘ったるいけど。語尾に「♡」付きそうだけど。



でも待って嘘でしょ？？





「「「……」」」





『ま、待ってくれ！三人ともそんな視線向けないで！硝子まで……違うんだよ訳があるの！』





昨日まで通常運転だったよね坊ちゃんは。アレ？





『ちょ、坊ちゃん！？昨日まで私と喧嘩してたよね？犬猿の仲だったよね！？女は弱いし隣には歩かせないんでしょ！？なのにどうして…』



「ちゃうんや、Aチャンの可愛さに気付かんなんて昨日までの俺はどうにかしとった。ホンマ勿体無い事したわぁ」





ま、待ってこの人誰？？？





「Aチャン俺の隣歩きたいんやろ？ククッ、両思いやんなぁ？」



『えっ、いやそれは仲間としてで、』



「なぁ、俺の嫁に来おへん？」



『よ、嫁っ！？』



「悟くんと傑くんに聞いてんけど…一途な人がタイプなんやろ？Aチャンなら俺は毎日愛を囁いたるで？」



『っ何言って…待っ、離れたまえっ！馬鹿！』



「あぁ、もうホンマに可愛ええなァ……噛み付いてもええか？」



『駄目に決まってんだろ！！』





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