後ろでなく隣 ページ41
……
「な、何言うてるんや自分!」
『だーから、私を使えって言ってるんだよ坊ちゃん。ここから退場する位なら不本意だけど君の言う通りにしよう』
それに、と特級を見ながら坊ちゃんに話しかける。
『君のやり方じゃあ人は着いてこないよ。禪院は名門だ、後継者争いも凄いだろうねぇ…』
「っ!お前に何がわか、」
ドンッッッ!!!!
特級が飛び出してきた。一気に私は身構える。が。
「……散らせろ」
『!』
後ろから聞こえてきたその声に笑みを深めた。
向かってくる特級の攻撃を避けて、トンッ…と触れる。
『……呪塊、霧散』
術式を発動させると、特級の呪力が散った。その瞬間特級の後ろ…いや、上?に坊ちゃんが出現する。
瞬間移動だろうか?それとも高速移動?
思考を巡らせている内にドガァァァッッッ、と坊ちゃんが特級に一撃を入れて…祓っていた。
ふわ、と消える特級。
そしてタンッ、と坊ちゃんは着地した。
『おー、お見事ー。』
着地の反動でしゃがんでいる坊ちゃん。私はそれに目線を合わせる様にしゃがみ込んだ。
何となく彼は見下ろされるのが嫌いそうだから。
『坊ちゃん、私は君の価値観ごと否定するつもりはありませんよ。そしたらアンタの人生まで否定する事になるでしょうし。
いやまあ興味無いだけなんだけど。』
目線を合わせたまま彼に話しかける。彼はジッとこちらを見つめていた。
『けどそんなんじゃ誰もアンタに着いてこない。男だろうと女だろうと少しでも認めてあげたらどうだい?頑張ってる子沢山居るんですからー。
……まあ無理にとは言わないけど。
けど、次期当主サマ。アンタが当主の座についた時…周りに頼れる人とか、仕えてくれる人とか居なかったら…寂しくないかい?
私だったら寂しい。仲間だって欲しい。
無論同級になったからにはアンタとも仲良くしたい』
まあこれも無理にとは言わないんですけどね、と笑いかけた。
まあこんな頭のお堅い坊ちゃんだしね。私もあれだけ口悪く言ったが嫌いじゃない、苦手なだけで。
『ええーと、まあ要約すると…アンタが弱いと言った私でも、アンタを助ける力くらいはあるって事だね。
だから歩くんならアンタの後ろじゃなくてアンタの隣が良い。仲間の後ろ歩くとか、ゴメンだし』
__________
呪塊霧散はAちゃんの術式名です。
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てちあ(プロフ) - 早急に「ゆりなんぽん」というアカウントに返信したものを削除願います。他人のものもです。お願いします。 (2022年3月23日 2時) (レス) id: 0d6806340a (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - とても面白い作品です!きゅんきゅんです!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2021年6月24日 18時) (レス) id: 89932c3d9c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - ゆりなんぽんさん» これから続編に行きます!!楽しみにしてくれると嬉しいです!!という事です!分かりにくかったら申し訳ない笑 (2021年5月8日 14時) (レス) id: 23756b334c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - まあ感じ方は人それぞれですよね!ディープキスは耐えられなかったんだと思います!読者様に純粋で可愛らしい方が多かったという事で!そして続編でも是非是非応援して下さると有難いです!!! (2021年5月8日 14時) (レス) id: 23756b334c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - きらりさん» コメントありがとうございますー!!いやぁ大好きだなんてそんな……めちゃ嬉しいです!!更新頑張ります!!コメントありがとうございます!!! (2021年5月8日 11時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年5月1日 19時