クズ達に本気を出された結果。

取り合い ページ5

……





私はあの後、脱兎の如く逃げ出した。



そして教室に入り……





『しょっ、硝子ォォォォ！！！』


「え？うるさ……って、うわっどうしたの、」





硝子に飛び付く様にして抱き着いた。
だだだだって、あんな、あんなっ……！！





『ヤッ、ヤバいんだよ！！何がとは言わないけどヤバいんだよ！！』


「いやそこは言えよ」


『五条と夏油が……っ！！』





二人の名前を出しただけで硝子は「あー……」と声を漏らした。え、何？察してたの？





「あのクズ二人が何だって？まあ大体察しはつくけど」


『何か挨拶とか言いつつ距離近いし昨日も部屋まで来たし……何アレ！？何なんだいアレ！！』





「なるほどねー…」と何処か遠い目をして私を見る硝子。


え、待って同級生が今世最大のピンチになっているというのに呑気すぎない？？ねぇちょっと？





『とりあえず悪魔なんだよ助けておくれ硝子！』


「いや、そう言われても……」


『何で！？』


「もう手遅れだし」


『へ、』





瞬間、グイッと引かれる腕。


そして…ぽすっ、と背中に誰かの逞しい胸板が当たる。そして両側に鍛えられた腕が回った。





「だーれが悪魔だって？んな寂しい事言うなよ」





顔を上げると、目に入ったのは綺麗な白髪。





『ご、ごじょ、』





五条に、後ろから抱き締められていた。身長差もあり…まるで文字通り包み込まれているかの様な感覚に陥る。





「つめてーな。俺は自分の何処がダメなのか全くもって分かんねーんだけど」





するりと前に回った手が体のラインをなぞる様に登ってくる。


え、え、？とそれに戸惑う。恋愛経験0の私にとって過激すぎるそれ。首筋を手の甲で撫でられた所で、ぼふっと顔が赤くなった。





『ちょ、待っ、』



「……こーら、悟。流石にそれは頂けないな」





すると、急に五条が誰かに引っ張られたかの様に後ろに下がった。


それにより腕も解かれ、晴れて自由になる。





「……チッ、傑かよ」


「私で悪かったね。申し訳ないけど悟相手でも嫉妬はするんだ、これからは妨害もする事を忘れないでくれるかな」





バチッている二人に思わず涙目になってしまった。






『わ、私、任務に行ってくるわ…』



「「俺／私も一緒に行く。／一緒に行こう。」」



『エッ』



「いってらー」







………………………………マジで？







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