非力 ページ40
……
『ちょっ、何_____』
そのまま近くの壁にダンッ、と押し付けられる。押し返そうとしたがびくともしなかった。
『っ、離してくれないかなっ』
「……こう押さえつけられたら、」
『っ、』
ギリ、と手首を握る手の力が強まる。あまりの強さに痛みが走り顔をゆがめてしまった。
「……いくら態度がデカいお前やろうと、抵抗は出来ん。このまま俺がお前をどうこうする事やって出来る」
『それは、』
「せやから女は脆い言うてるんや。しかも弱いとなると男の足元にも及ばんやろ」
坊ちゃんが私から手を離してそう言った。そりゃあ私はもやしだし適わないかもしれないけど。
けど……
__________っ!!
『っ!危ない!!』
「!」
急に前から呪霊が突っ込んできた。坊ちゃんを押し、更に自分も身をひねらせる。
すると、呪霊は勢い余って地面に突っ込んだ。
「アソ、ボォォォ……アソボォヨォォォォォォ…アソ、アソアソアソボ」
『!』
直ぐに起き上がり、こちらに向かって笑いかけてきた。正直いって…酷い外見。
なんか顔半分溶けてるし。
何なの?アイロン顔にかけたの?
だが、問題はそこじゃないのだ。この威圧感に呪力量。
…………一級…いや、特級に値する呪霊。
坊ちゃんはよく分からないけど恐らく私と同じ位の階級か、少し上くらい。
ハッキリ言ってしまうとこの人と連携もクソもない。だから負ける可能性が高い。
「…………帰れ」
『………っは?』
「さっき説明した通りや、お前は弱い。俺が一人でコイツ祓うからお前は帰れ」
その言葉に、何かプチンと切れる音がした。
まーあ??私は????やっさすぃぃのでぇ??
怒りを表に出したりは??しないんですけど??
『帰るわけ無いだろクソボンボン!!!!』
「あぁ!?」
悪態くらいはついていいよねっ!!
そう思いながら、呪霊を蹴り飛ばし叫んだ。
吹っ飛びはしなかったものの、体勢を崩す事が出来た。
『私の術式は触れただけで呪力を散らす事が出来る。呪霊本体は散らせないけれど、術式は私には効かないよ』
だから、と私は続けた。
『……私を使え、禪院の坊』
ニコ、といつもの笑みを浮かべる。
坊ちゃんは何処か、驚いた様な顔をしていた。
__________
1396人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てちあ(プロフ) - 早急に「ゆりなんぽん」というアカウントに返信したものを削除願います。他人のものもです。お願いします。 (2022年3月23日 2時) (レス) id: 0d6806340a (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - とても面白い作品です!きゅんきゅんです!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2021年6月24日 18時) (レス) id: 89932c3d9c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - ゆりなんぽんさん» これから続編に行きます!!楽しみにしてくれると嬉しいです!!という事です!分かりにくかったら申し訳ない笑 (2021年5月8日 14時) (レス) id: 23756b334c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - まあ感じ方は人それぞれですよね!ディープキスは耐えられなかったんだと思います!読者様に純粋で可愛らしい方が多かったという事で!そして続編でも是非是非応援して下さると有難いです!!! (2021年5月8日 14時) (レス) id: 23756b334c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - きらりさん» コメントありがとうございますー!!いやぁ大好きだなんてそんな……めちゃ嬉しいです!!更新頑張ります!!コメントありがとうございます!!! (2021年5月8日 11時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:実珠 | 作成日時:2021年5月1日 19時