✩思わぬ再会(前編)✩ ページ3
晴天の昼下がり。雄大な自然の中に立つ私。
ここまでならただのロマンチックな光景で済んだのに。
「よぉ、久しぶりだな空愛！オラのこと覚えてっか？」
どうして……
「…孫、悟空？」
どうして、死んだはずの孫悟空がここに？
𓇼𓆉𓂃𓈒𓏸 𓐍 𓏸 𓐍𓆉𓂃◌𓈒𓐍
わからない。
孫悟空はセルとの戦いで命を落としたと、母や兄から聞いていた。
なのに、何故ここに？
「……どうして貴方がここに居るの？まず何故生きているの？死んだはずじゃ…」
「いやぁ〜色々あってよぉ」
……色々？
あまりにも呑気な回答に、ほんの少し憤りを覚えた。が、今は要件を聞くのが先だろう。
「……まぁいいわ。で、一体なんの用で来たの？」
「おぅ！それがよ…」
真剣な顔つきになった孫悟空が、事の顛末を話し始めた。
𓇼𓆉𓂃𓈒𓏸 𓐍 𓏸 𓐍𓆉𓂃◌𓈒𓐍
「……ごめんなさい、説明が下手すぎて理解に時間がかかるわ」
「そ、そんなにオラの説明下手だったか？」
「えぇ、とっても下手だった」
すっげぇ、とか、めっちゃ、とかが多すぎて理解が難しすぎる。是非誰かに通訳を頼みたいものだが、残念ながらここには私と孫悟空しかいない。自分の力で要約しなければ。
「………………えーっとつまり要約すると……？
この宇宙は十二あるうちの七番目…第七宇宙で、ひょんなことから
第七宇宙が勝ったら
って感じで合ってるかしら？」
「そういうことだ！
で〜、良ければ空愛も出てくれねぇか？
な！な！！」
段々距離を縮めてくる孫悟空と距離をとりながら、私は答えた。
「…悪いけどお断りするわ。
見ての通り今の私はただの旅人。元々体が弱かったし、武術だって護身程度の実力。お役に立てるとは思えないわ。
悪いけど、他を当たって」
もう用事は済んだだろうと、孫悟空から背を向ける。
「…じゃあ、しょうがねぇな。
……なぁ、空愛」
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作者名：一華(Web) | 作成日時：2023年5月24日 23時
