白雪姫 (ページ6)

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息苦しさに目を覚ますとやまとくんのドアップ。
ビックリして後退ろうとしても出来ないのはやまとくんに抱きしめられているからだと気づく。
そこで思い出される昨日の記憶。あのまま寝ちゃったんだという恥ずかしさと、朝まで一緒にいてくれたんだと言う喜びも束の間。
やまとくんの口から出た彼女さんの名前に現実を突きつけられる。

早くやまとくんを起こさなきゃ。

「やまとくん、起きて」

大『乃愛？おはよう。大丈夫？』

「もう大丈夫だよ。ありがとう。」

大『そっか！なら良かったわ！』

「そんなことより彼女さん大丈夫？」

私のバカ。自分から傷つきに行くなんて相当Mなんじゃないかな。でも彼女さんの存在を無視なんか出来なくて

大『大丈夫だよ！大事な妹の一大事って伝えたら行っておいでって言われたから』

あぁ、馬鹿だな私。そんなの勝ち目なんてないじゃん。分かりきっていたことなのにまた差を見せつけられた気がした。
何かと理由をつけてはやまとくんにしがみついていたずるい私とは違って、やまとくんを信じて優しく送り出す彼女さんには外見だけじゃなくて、中身までボロ負けだ。

大『じゃあ、俺そろそろ帰るわ』

「迷惑かけてごめんね。彼女さんにもよろしくお伝えください」

大『そんなん気にすんな！てかなんでそんなよそよそしい訳？』

「なんとなく？」

大『最近なかなか会えてなかったから元気な姿見れて良かったわ。またな、乃愛』

「ありがとう、やまとくん」

またねと言わなかったのは私なりのプライド。
お似合いな二人の間にこれ以上踏み込めない、踏み込んじゃいけないんだと思い知らされた。
「やまとくんバイバイ。彼女さんとお幸せにね。」っていつか絶対伝えるからその時までもう少しだけ時間をください。

私と違って外見も中身も綺麗な彼女さんには敵わないんだと思い知らされた気がした。

((煌めいた冬の星座たちを隠してシンシン降り始めた雪は汚れを知らないsnow white color))