白雪姫 (ページ5)

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やまとくん離れをして1ヶ月近く経った。

こんなにやまとくんに会わなかったのはいつぶりだろう。小さい頃は毎日一緒だったのになぁって離れてもやまとくんの事を考えちゃうなんてそろそろ気持ち悪いな私。

でも物理的な距離を取るのは案外簡単で、やまとくんに会わない生活にも慣れてきた。

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気付けば秋雨の時期。
この時期は大嫌い。せっかくセットした髪の毛もぐちゃぐちゃになっちゃうし、何より私の最大の天敵がいるから。

乃愛雷大丈夫かー？とせいらからLINE。昔から雷が大嫌いな私は小さい頃は鈴木家へお世話になることもしばしばだった。
今でも雷は天敵に変わりないけどさすがに私も20歳。
それに今はやまとくん離れ中。
鈴木家へお世話になるのは気持ちがはばかられる。
心配してくれてありがとうとせいらに返信して学校へ向かう。

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授業を終えてさぁ帰宅しようと外に出ると外は信じられないくらいの豪雨。

「うそでしょ」

思わず声が漏れた。早く帰宅してしまおうと足早に家路に着く。

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家に着いても止まない豪雨とゴロゴロと嫌な音を轟かせる外の天気にさっきからビクビクする私。早く寝る準備をして寝てしまおうと寝る準備をし、ベッドに潜り込む。

ベッドの横に置いてあるクマはいつの日かやまとくんがくれた私の宝物。そのクマを抱きしめて目を瞑る。
シーンとした部屋に響く雷の音が気になって全く眠れない。

そうこうしているうちに今までで1番大きな音を立てて落ちた雷とブレーカー。うそでしょ？もうパニックで手探りで携帯を掴み急いでせいらに電話をかける。

「助けて」

大『落ち着け、大丈夫だから。今家？』

せいらに掛けたはずの電話なのに出たのはやまとくんで、でもパニックな私は冷静になんてなれなくて泣きながら助けてを繰り返すしか出来ない。

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大『乃愛もう大丈夫だから』

すぐに駆けつけてくれたやまとくん。

優しく私を抱きしめて大丈夫だよと私をなだめるやまとくんに泣きながらしがみついた。
なんで来てくれたの？彼女はどうしたの？聞きたいことは沢山あるけれど今はまだこの腕の中に居たいと願う私は悪い子ですか？神様。

結局離れられないの
((逢えば私はまたあなたに抱いて欲しくなるでしょう))