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スタッフ「じゃあ、これからナンバー順にステージに上がってもらうから。ステージ中央まで行ったら自己紹介、課題の歌とダンス、最後にブーケトスを客席にトス。いいね?」



暗幕が張られたステージの袖。

ガチガチに緊張した10代の男子たちの前に、彼は念を押すように確認をした。

これは人気ボーカル、ハノンが所属するエックレコードで開催された、男子アイドルオーディション。この最終審査だった。

マイキー「お前、全然緊張してないな」

灰谷蘭が必死で欠伸を噛み殺していると、突然声をかけられた。

話しかけてきたのは参加者のひとりだ。名札には佐野万次郎とある。

マイキー「お前、1番目立ってて注目されてんのすげーな」

蘭「まぁね」

マイキー「俺も見習わないとな」

そう言って笑う万次郎を、なんとも言えない気持ちでながめた。


蘭(人のこと、言えないでしょ…)

なぜなら…

蘭「ー今更なんだけどお前、どうしてその格好なの…」

佐野万次郎は男

彼はスカートを履いていた。

蘭以上に目立って、そして別な意味で注目されている。


蘭「そういう趣味なら別にいーけど、審査に影響あるでしょ。男子アイドルオーディションなんだから」

マイキー「だろーな」

あっけらかんとした返事にちょっと驚いた。

マイキー「でも、これが俺だから。俺はこの姿でアイドルの夢を叶えるんだ」

からりとした笑顔を一瞬眩しいと感じたのは、ステージの照明がひときわ激しく輝いたからだろう。

マイキー「お、俺の番だ。んじゃ、行ってくるな」

万次郎はスタッフの合図で勢いよくステージへと走っていった。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , HoneyWorks   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:響夜 | 作成日時:2021年10月16日 21時

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