妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ5)

今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:33,310 hit

第1話　力と気の強い女の子・・・ページ5

まだ丁度良いあたたかさの春の季節。
木の枝の先にも桜の花がたくさんある。

今は貴重な休み時間。

しかしやることがないので、
とりあえず木の下に座って空を見てみる。

空を見ていると、本当の親の姿と、
姉さんの親の姿が見える気がしたのだ。

しばらくそうしていると、
不意にボールがこちらに飛んできた。

それを取って見上げてみると、２人の女の子。

片方はすごく綺麗な容姿の子で、もう片方は力と
気の強そうな女の子……あまり関わりたくないので、

とりあえず投げようとすると、気の強そうな女の子が

「あ、ちゃんと投げてよね!」

といってきた。どうやら私の顔をしっているらしい。

……よくよくみると、失礼だがその子は太っている……
私と同じくらいの年かな? そう思いつつなげた。

そのボールは、途中から来た風のせいで、
大きくカーブしてしまった。

これはしまった、と思った。
なんたって相手はすごく喧嘩が強そうだから……

喧嘩を避けるために謝ろうと思っていると、女の子は

「っ! ……どんくさいんだからっ!!」

と私を睨んだ後ボールを取りにいってしまった。
──正直、助かった。痛いのは嫌だ。

最近は授業にしてもなんにしても、
羽目をはずしてばかりなようだ。

……にしても、
なぜ相手は私のことを知っていたのだろう……?

姉さんならわかるだろうか……。
ランチタイムの時に聞いてみようか。

～･～･～

ランチタイムになれば、すぐに姉さんに会いにいく。
確か姉さんのクラスは……あった。

「姉さん! 一緒にランチ食べよう?」

「あ、A! めずらしいわね。
Aからさそってくるなんて。私もそのつもりだったのよ」

「そっか、良かった! ……あ、姉さん、今日のランチは
焼きそばとコーンスープとプリンだって」

一緒にご飯を食べられるということに安心し、
今日暗記したばかりのメニューを言葉にする。

「──あっ、本当だ。よく知ってるのね?」

「うん。ランチの前にいつもメニューを見てからここにくるから」

暇があれば、なにか楽しいこと、
楽しみなことを見つけておきたいのだ。