妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ29)

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第１.２４話　２人のやさしさ・・・ページ29

「あの女の子は?」

「大丈夫、生きているわ。
私が救急車を呼んでくるから、安心して」

その言葉を聞き、頷くと、数秒後。
私は倒れて、眠りについてしまった。

「Aは、すでに体力の限界を超えていたのね」

スネリはそういうと、Aのもとまで体を引きずるように
近づいて、前足でAに触れた。

こうすると体重を吸収して、体を軽くできるらしい。

「ここにいるとまずいな、移動しよう」

もっけもそういうと、ゆっくり立ち上がり、
くちばしを大きく開いた。

すると、体がどんどん大きくなって
私の体と同じくらいの大きさになる。

その後スネリがAをもっけの背中にのせ、
スネリは階段を下りて行った。

もっけはそのまま飛び立った。

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夜空を飛んでいるもっけの背中の上で、私は目を覚ました。

「よっ。気づいたか?」

「……えぇ。もう大丈夫なの?」

「あぁ、ずいぶん回復したぜ」

下を見ると、スネリが屋根づたいに走っていた。
スネリも回復したようだ。

「……学園に、帰るつもりなの?」

「あぁ」

「でも、妖力のことを彼女は見ていたかもしれない」

下に広がる景色を眺めながら、呟くような声で言う。
それでも、もっけにはちゃんと聞こえるらしい。

「そのことなら大丈夫だ。スネリが彼女の記憶の一部分を消したから」

「……そんなこともできるんだ」

「スネリのしっぽの妖力でな。ただし、おいらやAが
変化したのを見られたことだけ。後の記憶は消せない」

「……そう」

「それはいいんだけど……」

「……なに?」

視線を、景色からもっけの頭の方へと移す。

「悠久の玉を狙う妖怪はかまちだけじゃないだろう。そしてこれからも……」

「妖界から出てくる妖怪はいるだろう、ってことね」

「そういうことだ。……ほら、もう学園についたぞ」

そういってもっけは学校の庭に急降下して降り立った。