妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ24)

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第１.１９話　かまちとの戦いへページ24

～･～･～

それから、もっけとスネリは先にかまちの元へ走って行った。
もっけによると、学校へ行く道が怪しいらしい。

なので、私はその方向へと歩を進める。
２人共無事でいてくれるか……後、彼女も無事だろうか。

～もっけとスネリ～

「お前らか。来ると思っていたよ。伝説の子の登場はまだらしいな」

「……背負っている女の子をかえせ!」

かまちの背中には、無造作に背負われた女の子がいた。
腕も足もだらりとした女の子の目は閉じられて……。

しかし、生きていることだけはわかる。
彼女の息の根がかすかに聞こえるからだ。

「かえせだと? こいつは大事な人質だ。
Aが来るまでかえせない」

「じゃあ、おいら達が力ずくでかえしてもらうしかねぇな」

「私達が相手してあげるわよ」

一定の距離をたもちながら、互いに様子を窺う。

「お前らと戦っても意味がない。
俺は悠久の玉のありかを知りたいだけだ」

「悠久の玉を手に入れてどうするつもり?」

「そんなことは、俺の自由だ。お前らに言うつもりはない」

「ケチ。口が減るワケじゃねぇのに」

「……お前ら、それ以上近づくなよ。
それ以上近づいたら、こいつをここから落とす」

「お前……なんてきたねえ奴なんだ。妖怪の風上にもおけねぇよ」

「風上におけないって? バカかお前。俺は風を作る妖怪だぜ。
風は俺から生まれてくるのを忘れてもらっては困る」

鼻で笑ったかまちに、スネリが怒鳴った。

「バカなのはアンタよ! 何か勘違いしてない?
あの子はAという名前だけど、伝説の子ではないわ。
アンタが襲おうとしても、Aはよけることができなかった。

あそこでもっけが助けていなければ、
風の刃はAをとらえていたはず」

「そうさ、Aは伝説の子でなんかないぞ。なんの能力もないからな」

「お前らがあの子をかばおうとしているのはお見通しだ。
あのAって子は、確かに伝説の子だ。

俺の鼻がそう言ってる。においだ。

においがする。封印が解かれこっちの世界に来た時、
すぐにわかった。あいつのにおいは弱い。

この子供と間違えたくらいに、人間に近いにおいだ。
だが、Aに会って確信した。俺の鼻はごまかせやしない。」

(だめか。……まずい、Aが来るぞ。足音が近づいてきている)