妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ21)

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第１.１６話　かまちの狙いページ21

「かまちは最大の妖力を手に入れようとして、
悠久の玉を探しているということね。

玉の行方を私が知っていると思って、襲ったんだ……
でも私……悠久の玉の行方なんて知らない……」

「なぜ、かまちはこの言い伝えと知っていたんだろう。
この木箱は、ずっとAのもとにあったんだよな?」

「そうよ。肌身離さず持っていたワケではないけれど、
毎晩寝る前には、机の引き出しから取り出して見ていた」

「不思議だわ……かまちの後ろに何者かがいるのかしら……
なにもかも知っているもの。だとすると……それはもちろん、
人間ではなくて。あら、木箱のふたの裏側にも何か書かれているわ」

『天高く舞ひあまたの心憂きことをゆるし
心鬼神に通じ魂天地におさめよ』

「……天高く舞い、すべての罪を許し、
心は鬼神にも到達し、魂は天地におさめよ……」

「この言葉は、伝え聞いていた伝説の子のことだわ」

「……人間ではないとは……かぎらないんじゃない?」

考え込み、首をかしげながら予測を立てる。

「え? ……もしかしてかまちの後ろに
何者かがいたとしたら……のこと?」

「そう。悠久の玉の行方は伝説の子しかしらない。
……伝説の子は私だけなの?」

「えぇ、私達の知っているかぎりでは。母と父の間に生まれた者だけよ」

「じゃぁ、もし私以外にも伝説の子がいたとしたら。
その人は私にとって姉妹、または兄弟……
つまり、人間なんじゃないかな……って」

姉以外の、家族。

そんな存在があったとしたら……なんてことを
考えると、体が震えるような気がしたが。

「まさか! おいらはAたった１人しか産んではいないと聞いている」

「私もよ」

「……なら、やっぱりあり得ないか。ごめん、変なことをいって」

なんとなく、２人の否定を聞いて
ホッとしている自分がいた。