妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ19)

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第１.１４話　私が生まれた島ページ19

「その祠はAが生まれた島にあって、
そこをあなたの父が守っていたの。

悠久の玉のうちの４つはなくなってしまったけれど、
ただひとつ残っていたのが、その島の祠にある玉だった」

「私が生まれた島っていうのは?」

「昨日の夜、地震があったでしょ。震源地はどこか知ってる?」

「……確か、遠い近畿地方にある夜鳴島。

海底火山の噴火の影響をうけて、一夜にして沈んでしまった
って聞いた……もしかして、そこが……?」

「そう、A、あなたの生まれた島。
そして５つの祠の１つがあった場所」

「……なら、５つのうちの１つの祠が
沈んでしまったということは……」

「Aが思っている通りだよ。
第３の目が目覚めて、頭の回転が良くなったか?」

もともとそれなりに秀才ですよーだ。

「まぁ、結界が破られたということだ。
そして、妖怪がこっちの世界にでてこられるようになった」

「それで、あなた達やかまちがでてこられるようになったということ?
でも、おかしい。母はなぜこっちの世界にいることができたの?
……母も妖怪だったはずなのに」

「Aの母は、特別に大きな妖力があったの。
こちらの世界とあちらの世界を行ったり来たり
できる、ただ１人の妖怪だったから」

特殊能力、というやつか。

「……それで……悠久の玉はどこにいってしまったの?
なぜ、かまちは悠久の玉を?」

「なぜかまちが悠久の玉を探しているのかはわからない。
悠久の玉の行方も、私やもっけにもわからないわ。

ただ、悠久の玉がどこかにあって、
あなたのうなじに作用していることは間違いないのよ。

悠久の玉が夜鳴島と共に沈んでしまったとは思えないの。
でも、かまちの言葉は確信に満ちていた。

『伝説の子が秘密を握っている』って」

「そうなんだよ。おいらもずっと気になっていたんだけど。

それで思い出したんだけどさ、『伝説の子の言い伝え』には、
もう１つ説があったのをスネリは知らねえか?

おいら達が知らないことを、なぜかまちは知っていたんだ?」

「……私は何も聞いていないわ。ね、Aがこの学園に
おきざりにされた時に、身に着けていた物ってないのかしら。

もしかしたら、それに手がかりがあるかも」

「なぜスネリやもっけが知らないことを、
私が知ることができるのよ」

妖怪の人たちにとっては常識なのもしれないが、
私にとってはどれも非常識なことばかりだ。

まるで、本の中の世界の話。