妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ16)

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第１.１１話　私の力？ページ16

「あなたの母は、三百年生きた狐なの。
人間である父と恋におちて結婚したのよ。
そしてあなたが生まれたの。

でも、妖怪が人間の子を産むのは、
命と引き換えにしなくてはならない。

A、あなたを産むために、母は死んでしまったの。
そして、あなたの父もなくなっていて……」

「ちょっ……、ちょっと待って。
私の母が妖怪の狐? でも、私は普通の人間の姿なのよ?

スネリ、もしそれが本当の話なら、
なぜそんなに私のことを知っているの?」

私がそういうと、スネリが困ったようにもっけの方を見た。
もっけはぐるぐる頭を回していた。

それを止めると、めんどくさそうに言う。

「まぁな。このどこから見ても普通の子には理解しろ
というのが難しいだろうな。とりあえず、
自覚してもらうしかねぇだろう」

「自覚してもらうって、どういうこと?」

「う～ん。やっぱりさ、Aがかまちの襲われそうに
なった時だけど、あの時助けない方が良かったかもな」

「あら、どうして? もっけがかまちに飛びかからなければ、
間違いなくAの足はズタズタに切られていたわよ?」

お願いだから、言い方をもう少し考えてください。

「そうかな。もしかしたら極限状態になった時、
Aは特別な力を発揮したかもしれなかったと思ってさ。
……Aが本当に伝説の子ならな」

「じゃあもし特別な力を発揮できなかったらどうなっていたのよ」

「……やられていたな」

「(特別な力。伝説の子。もし私の母が妖怪だったなら……)
私は……妖怪の力が使えるというの……?」

思ったことが声に小さくでてしまった。

すごく小さい声だったハズなのに、聴力が鋭いという
もっけにはやはり聞こえたらしく、吃驚した様子だった。

「……どうしたんだ? いきなり」

「え……? あ、いや……特別な力とか、伝説の子とか、
もし私の母が妖怪だったなら……それをを繋げて考えたら、

私にも妖怪の血があるということで、特別な……
妖怪の力が使えたのかなって思ったけれど……」

「その通りだ。ただ、今はまだその力に目覚めていないみたいだけど」

「でも、やっぱり信じられない。……しばらく……１人にさせて?」

妖怪の力。私はそんなの知らない。
困ったように笑った私は、２人を見ながらそう言った。

「わかったわ。ゆっくり……１日の間考えてね」

「……ありがとう」

１日。それでも１日しかない。

ベッドの上で体育座りをしていた私は、
両足に突っ伏して、目を閉ざした。