妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ15)

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第１.１０話　聞きたい事が・・・ページ15

「……あ、ありがとう。でも、どうして助けてくれたんですか?
……いえ、それよりも、あの女の子のこととか、

伝説の子のこと、悠久の玉のこと、なぜかまちは
私を狙ったのかとか……聞きたいことが沢山あるんです!!」

この人たちは、それらすべてを知っている。
そして、私の質問に答えてくれる人たちだ。

「あぁ、答えるから落ち着け」

そう言われて、私は少し落ち着く。そして答えてくれた。

「まず、おいらのことも、もっけと呼んでくれ。
敬語もなしでいい。で、なぜ奴がAを襲ったかは

わからねぇな。たぶん、Aが伝説の子だということに
関係しているんだとは思うけど。あ～、悠久の玉についてと、
なぜあんたを助けたかは、話すと長くなるから後で話す。

もう１人の女の子については……悪いな!
つい油断しちゃったんだ。その隙に人質にとられた」

すらりと言っていい言葉ではないが。

「人質なら……、その分無事でいられるんですね」

「……私ともっけが、普通の猫やふくろうではなく、
かまちもたぬきじゃないということ、Aにはわかっているわよね」

どう考えても、普通に話したり変化したりするような
猫やふくろう、たぬきがただの動物でないことはわかる。

「私達は妖怪なの。かまちは風の刃を作り、自由自在に操れる。
もっけはこれでも、鋭い聴力と爪をもっているの。

百メートルもさきにある木の葉を落とす音を聞くことが
できるわ。そして私の能力は、姿を消すことができるの。
それから人間に変化することもできる」

「妖怪…………風の刃を作る。
だから空を切り裂くような物が見えたんだ……」

なぜだか、スネリの言葉はすっと心の内に入った。
私自身、どこかでそれを予感していたからかもしれない。

「で、姿を消す……でも、私にはスネリの姿が見えた。
白い影のような、霧のような……感じ、だったけれど」

「そうよね。あの時あなたには、私が見えていた。
そもそもこうして話ができていること自体、
Aが普通の子でない証拠なのよね」

「そうだな。おいらはそれより、空を切り裂くような
物が見えたって言葉が気になったけど。風の刃が見えたのか?」

「完璧に見えたわけではないけれど少し見えたの。
速く動くから私の身体能力じゃ避けきれなかったけれど。

それに、普通の子じゃないなんて……冗談はやめて。
私も妖怪だなんて、言わないでね?」

「A、驚かないで。
なぜあなたが伝説の子と呼ばれているか教るわ」