妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ14)

今日:25 hit、昨日:2 hit、合計:33,325 hit

第１.９話　あの時の２人ページ14

私があのかまちとかいう者のことを話しても、
恐らくは信じてくれないだろう。

それに先生は庭で倒れていたと言っていた。
私が気を失ったのは丘の方の場所のはずなのに。

けど、ここはあえて先生の言っていたことに
合わせておこうと思った。

今はなにをさせられるにも面倒くさい。

「あなただって怪我をしたんだし。幸い傷は深くなかったけれど。
自分の体をきちんと直してくださいね」

そして、先生は仕事のためかどこかへいってしまった。

怪我、か……怪我!! ハッ思い出して裾の辺りを見た。
だが、そこにあったはずの怪我が全くない……どうして?

……絶対に、なにかが根本的におかしい。

他にも不思議に思う事があったけれど、
今はすごく眠たかった。

体の疲れにしたがって横になった私は、
いつの間にか眠ってしまっていた。

～･～･～

夜中の十二時すぎ……何かの物音で目を覚ました。

途端に昨日の晩のことを思い出して、
すぐさま起き上がり、窓の方を見据える。

──しかし、その後から聞こえてきたのは
聞きなれない二つの、呑気な喋り声だった。

「ほら、もっけが大きなくしゃみをするから起きちゃったじゃない」

「仕方ないだろ」

そして私の声も聞かずに中に入ってきた２匹の動物。
まず目に入ってきたのは、凄く綺麗な猫。

隣には、ふくろうのような動物がいた。
凄い……こんな間近で見たの初めて……!

場違いながらに貴重を感じ、後者の方に見入る。

「……じろじろ見るなよ。照れるじゃん」

「バカ」

綺麗な猫は長い尻尾でふくろうの顔をビシッと叩いた。
猫の声を聞き、記憶が自分へと呼びかける。

「……もしかして、スネリさん……?」

「そうよ。でも、“さん”はいらないわ。スネリと呼んで。
それにしてもA、随分元気になったようね。よかった」

「え……っと。スネリさ……」

睨まれた。つい癖でまた“さん”を付けそうになったが。
……なぜだ。私なにか悪いことした?

猫に初めて睨まれ、咄嗟に言いかえた。

「スネリは、昨日の時と姿が違うんですけれど……」

「うふふっ。あれが本当の姿なの。この姿は、変化した姿よ。
こうしていると、ただの猫みたいでしょう?」

「は……、はぁ。それじゃあ、こっちのふくろう姿は、
あの光の影の姿をしていたもっけさん?」

「まぁな。昨夜助けてやったんだぜ。
おいらが来なけりゃ、Aはやられていたんだよ。
そういえばまだお礼をいってもらってないような……」

ベシッ。