妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～ (ページ13)

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第１.８話　姉さんと彼女は・・？ページ13

私は何時間たってからなのか、目を覚ました。

ここは……医務室?
外は明るいから……朝まで眠ってしまったんだ……

起き上ってみると、
はげしい頭痛に「うっ」とうめき声をあげた。

そしたら、先生が私が目覚めたのに
気がついて、話しかけてきた。

「白銀さん、目が覚めたのね。でも、まだ寝ていなくては
ダメよ。軽い脳しんとうをおこしているみたいだから」

「あ……はい」

その時の記憶がよみがえる。

私は彼女を助けるために丘へのぼった。

けれど……私はあまりにも力不足で、助けるどころか
自分の身を守ることさえできなかった……。

そこまで考えると、ふと気になることが出てきた。

「まったく。友達思いなのはいいけれども、
中学生だからって２階から飛び降りるなんて無茶だわ」

え……? 私が飛び降りたのは１階のはず。なぜ……?

「……すみませんでした。
あの、私はどこで倒れていたのですか?」

「この学校の庭よ。２階から飛び降りて脳しんとうを起こしたのね」

「(庭……?)それでは、他には誰もいなかったのですか?」

「ええ。あなたが１人、倒れていたのよ。なぜ?」

おかしい。直感的にそう思った。

「……いいえ……女の子のことがきになって。
それに……、姉さんは?」

「白銀香蓮さん、ね? お姉さんは救急で見てもらって、
そのまま入院になったわ。傷も深くて、ぬわなければならないし」

──やっぱり、そうか。

私は布団の中にある片手の方だけを、
密かにぎゅっと握りしめる。

「精神的なショックが大きいみたいで、しばらく安静にして
なくてはならないの。とても怖い思いをしたのかしらね……」

先生の言葉を聞いて、無性に姉に会いたくなった。
他のことはもうどうでもいい。

ただ姉の無事を確かめて、安心したい。

だが自分の体の状況もあり、それも敵わない。

「っ…………。女の子の、方は?」

「あの子は行方不明なの……今も警察が探してくれているわ。
お姉さんの気持ちが落ち着いてから、犯人像を聞くそうよ」

警察はその足ですぐに会いに行くことができるのに。
どうせならついでに私も連れて行ってほしい。

心の中で悪態をつく。

「あなたにも。今日の夕方に来ると思うけれど……大丈夫?」

「……問題ありません」

先生の問いに、間をあけて静かに答えた。
しかし、内心は困っていた。