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「失礼します。宿泊許可の申請書を持ってきました。」
魔具研究師団は“花火”を作るため、お泊りをすることになった。
提案者のイルマは先輩とアズ君と試行錯誤を重ねている。
クララちゃんはその横で応援ダンス?というものを踊ったり、必要な材料を出したりしている。
今のところ手伝うことのない私は、作業を四人に任せて職員室に来ていた。
「おっAちゃん」
机が入り口から比較的近いイフリート先生が気づいてくださった。
私は先生の机の近くに行く。
イフリート先生とは最悪な初対面だったが、定期的な検査を受けているとたまに会い、今ではちゃん付けで呼ばれるようになった。
「Aちゃんは魔具研究師団だよね。この“はなび”というものが出し物なのかい?」
「はい、詳細は秘密ですけれど。一般的には家族や友人、恋人とよく一緒に見ますね。」
「なるほど、観賞作品なのかな?詳細は秘密、か。」
「えぇ、ぜひ楽しみにしていてください。イフリート先生は他の先生方と一緒にいられるのですか?」
「いや、僕は警備教師だから。ほかの先生方とは離れて巡回するよ。
なに?一緒に見たかったの?」
申請書に目を向けていた先生が急にこちらを向いてニヤッと笑った。
「いえ、どちらでも。」
「冷たいなぁ、もうちょっとかわいい反応してくれてもいいじゃん」
「ええ…そう言われましても」
まっいいや、と立ち上がった先生は私の頭に手を置く。
「とりあえず、申請書はこちらで受理しておくから。
いいもの作れよ?」
期待されている
そのことに嬉しくなった私は、自分の頭の上にある手に自分の手を重ねる
私の手に、温かさが伝わってくる。
「はい!」
思わず嬉しくなり、満面の笑みで返事をした。
「では、失礼します。」
これで、本格的に作業を進めることができる。
期待してくれている以上、絶対にいいものを作らなければ
絶対に観客を笑顔にさせる。
私はすぐに四人のもとへ戻った。
“かわいい”
彼女が職員室から出ていった直後、僕の頭はその言葉で埋め尽くされていた。
認識も変わり、だいぶ彼女を知れたと思っていたのに
普段の笑みとは違った笑顔
まるで、いたずらを考えるような顔
「…彼女もだいぶ、染まったなぁ」
染めたのは誰だろうか。
いや、考えるまでもない
「師団パーティー楽しみだなぁ…」
まわりにツムルたちがいなくて心底安心している
自分すら引くほど、くだらないことを考えていたから
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ゆきず(プロフ) - 保存料さん» ありがとうございます!モチベになるので感想コメントとても嬉しいです。亀更新ですがこれからもよろしくお願いします(*'')♡ (9月2日 8時) (レス) id: f12aa8a183 (このIDを非表示/違反報告)
保存料(プロフ) - 戦後まもない日本から転生という設定が面白かったです!これからどうなるんだろう…続き待ってます🥲❤️ (9月1日 0時) (レス) @page3 id: cbc051c5e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきず | 作成日時:2023年8月30日 23時