3.11 街に降る雪 ページ13
あの日、私は学校から帰ろうとしていました。
卒業式の前の日で先生に早く帰りなさいと怒られたのを覚えています。
それでも帰らないで私は3人ほどの友達と話していました。
「今日は空くん帰っちゃったの?」
「空は自転車乗りに行くって。今の自転車、今日売っちゃうから最後に乗りたいんだってさ。売ったら新しい自転車買いに行くんだけどそんな時間なくなっちゃうよねー」
「あはは空くんらしいね。」
「去年大会で優勝したんでしょ?すごいなぁ」
「でしょでしょ!」
「なんであんたが自慢してんのー?」
そう笑い合っていました。
「ん?ちょっと揺れてない?」
友達の一人が言いました。
「地震?最近多いよね」
数日の間、明らかに地震の数は増えていました。
しかし、私たちはちょっとの地震は慣れているため、まだ恐怖はありませんでした。
「一応机の下潜っとこーよ」
「だね。」
念のため、私たちは机に潜ろうとしました。
その時でした。
今まで感じたことのない衝撃。
激しい揺れが私たちを襲いました。
「きゃぁぁぁぁ!!?」
友達の叫びが聞こえました。
机の下に既にいた私は必死で机の脚を掴み、ただひたすら揺れに耐えていました。
目の前にいた友達が泣いていたので、片手を伸ばして手を握ってあげました。
「大丈夫!絶対生き延びよう!」
棚にあった植木鉢は落ちて土を床にぶちまけていました。
誰も座ってない机は動いていきます。
そして、やっと揺れが収まってきました。
先生が私たちの教室に飛び込み、校庭に出るよう指示します。
微かに揺れる中、私たちは校舎を走り出ました。
上靴を履き替える余裕など微塵もありませんでした。
下駄箱も倒れていましたから。
校庭には他にも人がいました。
泣いている子もたくさんいました。
毛布が配られ、何人かでそれにくるまります。
チラチラと雪が舞い始めました。
そこで私はやっと空のことを思い出しました。
空はまだ帰る途中だったはずです。
学校に戻ってきているのか、家に帰りついたのか。
全くわかりませんでした。
✄-----キリトリ-----
もう1つの本編。
3.11〜 黒い海→←ブレイクタイム ちょっとした作者の話(ゲスト:巻島さん東堂さん)
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革ベルト
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夕凪 翼 - スターライト・マーベル@あやねさん» 最後です。私は何も影響を与えることはできませんでしたが、この作品を書いていたことは後悔していません。コメントありがとうございました。気分を害したことは申し訳ありません。でも、私はこの作品は残しておこうと思います。 (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2a5c51dc40 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 翼 - スターライト・マーベル@あやねさん» 続きです。昨年から私の願いが通じたように弱虫ペダルとツール・ド・東北のコラボが開催されました。もし彼らが弱虫ペダルファンの人が震災を忘れたりしないよう伝えていく架け橋になってくれたら私はこれ以上のことはありません。 (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2a5c51dc40 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 翼 - スターライト・マーベル@あやねさん» 続きです。どうか、弱虫ペダルの彼らが走ってくれないものかと考え、出来たのがこの作品と前作でした。これは当時私が二次創作という形で出した復興への願いでした。その願いは変わりません。だから震災の内容を取り扱っています。 (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2a5c51dc40 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 翼 - スターライト・マーベル@あやねさん» もう返事もいただけるか分かりませんが…。ログインできていませんが作者です。はい、私は宮城で被災しました。一瞬にして世界が一変してしまった心地でした。この小説を書いていた当時、偶然ツール・ド・東北というイベントが県北で始まることを知りました。 (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2a5c51dc40 (このIDを非表示/違反報告)
スターライト・マーベル@あやね(プロフ) - 話はとっても良いのですが、東日本大震災の事が入っていてとても残念です…。作者様は被災者の方ですか? (2016年3月15日 18時) (レス) id: 9c3de66068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕凪 翼(ゆうなぎ つばさ) | 作成日時:2015年4月30日 22時