元暗殺者は、鬼狩りとなるようです。其ノ弐【鬼滅の刃】

帰ってこないかと… ページ38

長様の家まで行き、部屋に通されると……


『鏃守さん！』


「あっ…お久しぶりです……」


ちっちゃくなった鏃守さんがいた。


良かった…戻ってきたんだ……


「すみませんでした…濡椛さんの刀が折れたと聞いて…あんな鈍ではダメだと思って山で修行してました…」

『私こそごめんなさい。刀を折ってしまって…』


顔を合わせると、なんだか空気が柔らかくなったような気がして、私も鏃守さんも笑いだした。



「それで、月双さんの持っているその刀…研いでもらいたくて来たんやな？」


『あっ、はい！戦国時代の刀らしいんですが、錆びていて…』


そう言うと、鏃守さんがピクっと反応した。


正確には……「戦国時代の刀」に反応した。




「せ、戦国時代！？…と、研がせていただいてもよろしいでしょうか！？」



前のめりになりながら大声で頼む鏃守さんが、可愛くて思わず笑ってしまった。



『ふふふ…私は鏃守さんに研いでもらいたくてこの刀をここに持ってきたんですよ。不思議な形で、難しいかもしれませんが…お願いしても大丈夫ですか？』


もとより、この刀を鏃守さんが帰ってくるまで、長様に一旦預けようとここへ来た訳だしね。


「もちろんです！二日ほど頂ければ！」



『では、お願いします！』



(かりんとう…美味しいな……)


横では、長様からかりんとうを貰っていたカナヲがそう思っていた……ような…気がする……

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