トラックとお嬢様 ページ3
A・ルルカ。享年17歳。
両親が日本好きで生まれはフランス、育ちは日本である、私は突っ込んできたトラックから親友を守るために死んだ。
17歳という若さで。
フランスから転校してきて、まだ慣れない時、「ゲームのキャラと同じ名前!」という偶然で話しかけてきてくれた親友。
そんな彼女に恩返ししたつもりだ。
別に元々この世界に思い入れなどないし、死んだ時でさえ、「嗚呼自分って死ぬんだな」しか思わなかった。
欲がないというか……
ただ、親友と些細なことで笑ったり、両親と色々な場所に赴いたり出来ないのだけは心残りかもしれない。
できることなら、また親友と過ごしたいな……
儚い夢は意識と共に暗闇へ。
死ぬ間際でも人間ってこんなに頭が回るもんなんだな……
?「……」
??「ねぇ、君はこんなことしても何とも思わないわけ?」
『あら、私の気に触れることをされた彼女が悪くってよ?』
??「噂には聞いてたけど、君がここまで傲慢だとはね」
『なぁに?その目。私は高貴なるA様よ?
頭が高いわね、貴方。貴方なんて私がお父様に言いつければ直ぐに退学になられて、この世界で生きることが大変難しくなりますわよ〜』
その少女、否、自分は高らかに笑った。
『はっ……』
ガバッと布団から起き上がる。
窓の外ではチュンチュンと小鳥が鳴き、部屋中見覚えなんてない。
サラリと落ちてくるピンクの髪を見て、なんとなく嫌な予感がする。
寝起きでまだ足元がふらつく中、全身鏡の前に立つ。
『……』
嫌な予感というものほど的中するもので、私はA・ルルカになっていた。
前世と名前が同じだから分かりにくいか……えっと、乙女ゲームの中のA・ルルカになっていた。
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創造者 - この作品大好きだ! (5月6日 1時) (レス) @page11 id: aec583b91f (このIDを非表示/違反報告)
うえ - すごい好きです..!!!応援してます!!頑張ってください〜!! (4月7日 21時) (レス) id: 0e5cf0185e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵闇 | 作成日時:2024年3月11日 1時