ひとめぼれと運命『紫&青』 (ページ24)

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今日はここまでで解散にしようと宮館さんが言ったので、私たちは帰ることにした。

宮館さんが言っていたことが頭から全く離れなかった。

たしかに私は、翔太のことがまだ好きという気持ちがが残っているのかもしれない。

悶々と考えていると、後ろから翔太が私の名前を呼んで走ってきていることに気づかず、耳元でお菊聞こえた声に大きく反応してしまい、翔太がものすご大きな叫び声を出してしまった。

「ごめん翔太、ちょっと考え事してて全然気づかなかった」

渡辺「そっか、どした？なんかあったら俺聞くよ？」

このまま翔太によくある「友人の話」として話してしまおうかと思った。

でも元カレである翔太には何もかも見透かされそうな気がしてやめることにした。

大丈夫と言うと、少し不満そうな顔をしたようにも見えたが、「そっか、」と言って別の話になった。

渡辺「てかさ、久しぶりじゃない？こうやって二人でさゆっくり話すのって、」

「そりゃ久しぶりに決まってるでしょ(笑)翔太が海外行ってからだもんね、結構長いよね」

渡辺「そうだよな(笑)」

少し天然というか抜けているところもあってかわいいなって不覚にもキュンとしてしまった。

そのまま私の家に着くと、翔太は「じゃぁおやすみ、会えて嬉しかった、これからも宜しく」
って言って、頭を撫でて去っていった。

翔太ってこんな感じだったよなって、翔太がいなかった空白の数年間に色がつけられていく感覚がした。