222羽 ページ30
月島のサーブから試合が始まる。
山形と五色の間、いいコースに飛んでいく。
拾われはしたものの、多少乱すことには成功した。
白布があげた先は大平。
「(……って、はぁ!?)」
Aが異様な光景に築いたのはそのすぐ後。
ブロックに向かった日向がスパイクのような助走の幅を取ったからだ。
「(……正気?普通この土壇場でそんなこと思いつくかな……。
あーもう、面白い……。)」
ゆるむ口元を隠す。
日向は助走をつけて高く高く、ネットから顔が出るまで飛んだ。
急に現れた壁に咄嗟に反応できるはずもなく、大平の打ったスパイクは日向のブロックに当たって白鳥沢のコートへ弾け、コートに落ちた。
このブロックによって11対11、烏野がブレイクする形となった。
・
・
試合が流れる。
日向が同じことに挑戦して顔からネットに突っ込んで言ったことは言わずもがな。
「今はまだ横に流れていい。とにかく飛ぶこと。ただしそれをサイドが支えてほしいという事を伝えてほしいです。」
「任せろ!」
Aが西谷にそう言うと、西谷はコートに向かっていった。
「面白くなってきましたね、烏養さん。」
「こっちはひやひやしてるけどな」
「日向くんは肝心なところで技術が足りませんね」
・
・
それからまた試合が流れた。
18対18。お互い一歩も譲らない攻防を繰り広げる。
そして月島のサーブから試合が再開する。
白鳥沢がそれをスパイクまでつなぐ。
日向が全力で飛んで、影山にぶつかる。が、体制を崩さないように影山が何とか持ちこたえた。
日向がやってきたことで、大平もフェイントに切り替える。
「前前!!」
そのボールを澤村が何とか拾った。影山へとつながれ、影山があげた先はレフトの田中。
しかしそれは天童によって阻まれる。
「ワンチ!」
「チャンスボール!」
五色から白布。白布から牛島へトスが上げられる。
日向がブロックに走って、目いっぱい飛んだ。
横に流れてはいるが、おされないよう田中が精一杯食い止める。
「ワンタッチィィ!!」
牛島のスパイクに日向がワンタッチを取り、東峰がレシーブする。
と、着地すると同時に逆サイドへ日向は走った。
――しかしあげられた先は田中。
「(日向が走ってるとどうしても見ちゃうんだよね。)」
田中はそのスパイクをしっかりと叩き込んだ。
この長いラリーを制したことは大きいだろう。
これで19対18。逆転を果たした。
270人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭(プロフ) - 雨音が響いていますね切ないっ! (2020年5月20日 19時) (レス) id: 6b8ac95e5a (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 228羽から239羽になっています その後も240羽〜になっています (2019年7月28日 17時) (レス) id: 429426fee2 (このIDを非表示/違反報告)
kusareneko11(プロフ) - 天童の童が道になってますよ (2018年1月23日 21時) (レス) id: 82b0fa55d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - Kitty*.。さん» 貴方様のコメントを受けて「可笑しいのか!?」と思って調べたところ真骨頂が正解でありました…!申し訳ないです!真骨頂の意味は最もいい状態みたいな感じです! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
Kitty*.。(プロフ) - 216羽に最骨頂という言葉が出てきましたが、意味を教えてください (2016年12月27日 20時) (レス) id: 73d00c2580 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年10月8日 22時