216羽 ページ24
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大平からのサーブを東峰が拾う。しかし流石の強打で、上がったボールはネットを越えようとしていた。
「影山、おしこめ!」
影山と五色が飛んで、ボールを押し合う。結果白鳥沢のコートに落ちかけたボールを天童が足でレシーブした。
体制が整わないまま繋がれたボールがチャンスボールで烏野に返る。レシーブがあがり、日向が勢いよく走り出した。
「(理性で考えてちゃ追いつかない。たとえ直感でも、スピードには追いつけない。)」
日向は一度フェイントを入れてから飛ぶ。会場全体が日向に注目したが、影山があげた先は田中だった。興奮した様子の田中がそのボールをしっかり決める。再び烏野のマッチポイントだ。
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タイムアウトが明けてすぐ、再び白鳥沢に点を取られてデュースとなる。ここでピンチサーバーとして、天童と変わって3番……セッターである瀬見が入った。瀬見の登場にAは眉をひそめた。
「(うわぁ、瀬見先輩のサーブ……。)ここ一本で切りましょう!」
瀬見のサーブ技術はかなり高い。そんな彼から勢いよくジャンプサーブが放たれた。拾ったのは東峰であったが、そのボールは乱れる。田中がアンダーで澤村におくるも、澤村のスパイクはブロックに阻まれる。
空中にあるボールを白布が直接叩くと思われたが、白布はそのボールを瀬見に渡した。せみのポジションもセッター、つまり今の白鳥沢はツーセッターの体制になっているのだ。
「工、入ってこい!」
「はい!」
五色にあげられたボールがしっかり決まる。26対27、何度目か分からないマッチポイントだ。後に引けない緊張感から、背中に嫌な汗が伝う。
2度目の瀬見のサーブを拾ったのは澤村だった。しかし、これもまた乱れる。
「(相変わらず強烈……。)」
影山が落下地点に立ちセットのモーションに入った。日向もそれにあわせて飛ぶ。――気づいたときには、ボールは白鳥沢のコートについていた。
「はぁ!?」
普段冷静な白布の叫び声が聞こえる。そんな位置から、と驚くような位置で日向と影山は速攻を決めたのだ。
「(さすが、変人コンビ。)」
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それからお互いに1点ずつ点を取った。澤村の得点により烏野にサーブ権が移動し、日向のサーブ。このローテーションで月島が前衛に入ってくる。Aは月島の姿を見つめながら怪しげに口角を上げた。
「(そろそろでしょ?――月が出てくるのは。)」
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蘭(プロフ) - 雨音が響いていますね切ないっ! (2020年5月20日 19時) (レス) id: 6b8ac95e5a (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 228羽から239羽になっています その後も240羽〜になっています (2019年7月28日 17時) (レス) id: 429426fee2 (このIDを非表示/違反報告)
kusareneko11(プロフ) - 天童の童が道になってますよ (2018年1月23日 21時) (レス) id: 82b0fa55d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - Kitty*.。さん» 貴方様のコメントを受けて「可笑しいのか!?」と思って調べたところ真骨頂が正解でありました…!申し訳ないです!真骨頂の意味は最もいい状態みたいな感じです! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
Kitty*.。(プロフ) - 216羽に最骨頂という言葉が出てきましたが、意味を教えてください (2016年12月27日 20時) (レス) id: 73d00c2580 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年10月8日 22時