【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part5＞

２１１羽 ページ19

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「白石、今月島に何指示だしたんだ？」



烏養が横で見ていたらしく、そう聞かれる。「あぁ。」と小さく返事をしてからAは話し始めた。



「白布先輩……向こうのセッター、いくら冷静といえど人間でありセッターですから。自分の上げたトスを打つスパイカーのスパイクが気持ちよく決まらなければ当然ストレスも溜まります。さっきの飛雄みたいに。

だから――そこを徹底的に。執拗に……ストレスを与え続ける。」



怪しく笑うAに烏養も息を飲む。そして大方の意味を理解し、「なるほどな。」と呟いて月島を見た。そんなにことが上手く運ぶのか、そんな思いを胸に抱えて。



「できますよ。今の月島なら。」
「！……だな。」



まるで心を読まれていたかのようなAの発言に一瞬肩を跳ねさせた後、烏養は笑った。




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それから月島は調子よくワンタッチをとり続けた。



「チャンスボール！」



月島のワンタッチによりチャンスボールに鳴ったボールを繋ぎ、影山が田中に上げる。田中が打ったスパイクは五色と山形の間に向かい、2人の間に落ちた。



「っしゃあああ、」
「今のは工だべや！！馬鹿がぁぁぁ！！」



田中の雄たけびが終わらないうちに、白鳥沢の監督が叫ぶ。



「見合いなら、女とやれやぁぁぁぁ！！」
「……ハ、ハイッ！」
「ぷっ、ハイって！」



「(変わんない……一回高等部から中等部に特別に教えに来てくれたんだよなぁ。凄い厳しくてドリンクの用意遅いとか本数数える声が小さいとか怒られたっけ……懐かし〜。)」



Aは昔を懐かしむように目を細めて選手達に怒鳴る鷲匠を見た。





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月島にサーブ権が回ってきて、ここで菅原と交代する。16対17、まだまだ逆転は可能だ。

菅原のサーブを拾った白鳥沢は白布から天童に上げられ、それを澤村がなんとかレシーブする。そして影山と菅原がアイコンタクトを取ると、位置を入れ替わった。菅原はトスの体制に入り、影山も攻撃に参加するために走る。



白鳥沢の選手が驚いた面持ちを見せる中、菅原があげた先は――影山。強烈なストレートを決めてみせると、「っしゃああああ！」と叫び声をあげた。



「小ざかしい！孫の代になって更に白石もマネージャーに入って一層な！！」



鷲匠のそんな声がベンチから聞こえて、名前を呼ばれたことに昔を思い出してAは思わず身震いしたのはまた別の話。




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