【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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2人分の空いた席を探してフードコートを歩き回る。家族、友達同士、カップル、様々な人が座る席を視線でたどっていけば、丁度2人席が空くのが見えた。急いで空いたばかりの席に行き、取られても問題ないような荷物を置く。

急いでAの元へ戻ろう、足早に来た道を戻れば、視界の先の光景に目を見開いた。


ベンチに座るAと、彼女に絡む2人の男。見れば1人の男はAの肩に手を置いていて、一目見て彼女がナンパに合っているんだと分かった。4割の助けなくてはと言う使命感と、6割の憤り。弾かれたように俺は駆ける。

その人は俺の大事な人だ、何簡単に触れてやがる。怖がらせるな。いろんな感情が混ざり合って、気づくと男の手を掴んでいた。突然表れた俺の存在に驚いた様子の男と目を合わせる。



「俺の大事な人に何か用スか。」



俺より10cm以上は上にある頭を見上げて、その目を睨みつける。「な、何だお前、」と男が一歩たじろぎ、「光来くん……！」と声を上げるA。彼女の声で少し冷静になって、男の手を離してAの手を取った。

行こう、と声をかけて足早にその場を去る。Aが「あの、光来くん！」と何かを訴えかけているけれど、まずはこの場を離れることを優先だ。


嫌にむしゃくしゃするのは男が彼女に触れていたことは勿論だけど、一番は彼女に怖い目を合わせてしまった自分がたまらなく嫌だった。自分から誘っといてなんて無責任な。

自己嫌悪にさいなまれる俺の耳に、「ちょっとまって、光来くん！」というAの声がはっきり届いた。はっとして立ち止まる。男達の姿は見えなくなっていて、代わりに不安そうな顔をした彼女の顔が目に入った。そんな顔をさせたくはなかったのに。



「ごめんA！俺が一人にしたから、」
「あの、そうじゃなくて……。」



俺の言葉を遮った彼女。そうじゃない、というのはどういう意味だろう。口を閉じた俺に、彼女は申し訳なさそうに言う。



「あの人達は中学の友達。男子バスケ部で仲も良くて……。」



……チュウガクノトモダチ？

彼女から告げられた言葉に、俺はたちまち目を丸くしぽかんと口を開けた。



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