5 ページ5
・
・
その日から俺達は部活の休憩中、昼休み、帰り、色々な時間で光来くんの恋愛について話した。
話によると、光来くんは入学式の日に(人1)さんを一目見てずっと心を奪われていたそうだ。つまり容姿がドストライクだったってこと。その日から少し彼女のことが気になっていたらしい。
そして彼女と初めて話したのは入学して1ヶ月くらいのとき。沢山の教材を運んでいた(人1)さんがそれを落としてしまって、たまたま居合わせた光来くんが自分の気になっている人とも気づかずそれを拾ってあげたという。
『あの、ありがとう。』
『いっ……いや、別に！』
これが初めてで、そして唯一交わした会話なんだとか。その時の(人1)さんの笑顔がこう、刺さったみたい。この表現適切かなあ。
確かに(人1)さんは優しい人だと思う。決して目立つ存在じゃないけど、誰とでも仲良く平和にやってるなって感じだ。俺も話したことあるけど物腰柔らかで温厚な人だった。
光来くんはこういう子がタイプなんだ、なんて思って笑う俺に光来くんは目をじとりと細める。
『……面白がってるだろ。』
『当たり前じゃん。』
人の悩みを笑うんじゃねー！なんて光来くんは噛み付いてきたけど、俺は何も軽く見ているわけじゃないから安心して欲しい。
むしろね、叶えてあげたいんだよ。俺に、俺にとってのバレーの楽しみ方を教えてくれた光来くんだから。俺の悩みを解決してくれた光来くんに、俺も同じようにしてあげたい。
『自分から声かけるのが恥ずかしいなら存在をアピールするしかないよ。光来くんがエースになって、そんでうちのバレー部が結果残せば、光来くんの存在にだってすぐ気づいて貰える。そうすれば恋愛ばかりで部活が疎かになることもないでしょ？』
『……お前、頭いいな……！！』
光来くんは頑張った。センスと努力でいまやうちのエースだし、IHはベスト8だけど…満足なんてしてらんない。春高では、もっと。
「ごめんね(人1)さん、うちの光来くんが迷惑かけて。」
「いや全然！有名人さん間近でみれてちょっと貴重な体験した。」
「有名人さん……？」
「あ……。えっと、IH見て、凄い人だって聞いたから。」
ほら、やっぱり。存在感を示せば自然と興味をもってくれるようになる。彼女の頭にはちゃんと光来くんが残っているみたいだ。
「じゃあまたいつか、その凄い人の練習見においでよ。」
サポートは俺に任せてね、光来くん。
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 588人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤兎リエ輔(プロフ) - 檸檬さん» レス遅れちゃってすみません…！初々しさを目指しているので、そう感じていただけているようでとても嬉しいです…！初々しさ全開で頑張ります笑 コメントありがとうございます、これからもよろしくお願い致します〜！ (2020年3月30日 21時) (
レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初々しいの好きです!!!!!!!!!!!! (2020年3月20日 19時) (レス) id: bb7087dd1f (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - なつなつきさん» 謝らないでください〜コメントとってもありがたいです涙 私としてはにやけながら楽しんでいただけているようで嬉しい限りです…！ これからもっとにやにやさせられるよう頑張りますので電車での閲覧ご注意くださいっ笑 (2020年3月17日 21時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - lonkuuさん» その甘酸っぱさを目指しているのでそのお言葉が嬉しいです…！！楽しんでいただけているようで何よりです…涙 お褒めの言葉、応援の言葉ありがとうございます。もっと好きになってもらえるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年3月17日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - 赤兎リエ輔さん» またコメントすみません！電車で読むの間違えたぁぁっ。となってます。にやにやが止まりません！ (2020年3月17日 11時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2020年1月19日 1時
