【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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まさかこのタイミングで、こんなところで会うなんて。信じ難いけど確かに俺の目に映っているのは確かに彼女だ。



「久しぶり。光来、くん。」



どこか気恥ずかしそうに笑った……A、が、まだ慣れていない様子で俺の名前を呼ぶ。その笑顔も、俺の名前を呼ぶ声も、小さく手を振った素振りだって、全部が可愛くて。放課後職員室に来いと言われた時は担任を恨んだが今は寧ろ感謝を伝えたいくらいだ。



「お、おう。久しぶり、だな。」



一緒に帰った日から随分時間が空いたからか上手く喋れない。クソ、俺カッコ悪ぃ……！！呆れられていないだろうかと、ちらりと彼女の方を見ればクスクスと笑っていた。その笑顔が可愛くて余計に頭が真っ白になる。



「これから部活？」
「ああ。(人2)、A、は……日直か？」
「そう、日誌出しに行くの。」



日誌を顔の横にもってきて笑顔を浮かべるその姿に熱が集まるのが分かる。そんな俺に気づいたのか、Aは困ったように笑った。

折角会えたんだから何かを話そうと、話題を考える俺の視線の先で、彼女がハッとした表情を見せ、「そうだ！」と声を上げた。その反応に首をかしげる俺と、突然鞄の中を探り始めたA。彼女が取り出したのは携帯だった。



「あの、もし良かったら……連絡先、交換しませんか。」



搾り出したような声で告げられたその言葉に、俺は言葉を失った。信じられないと言う感情と、冷静に告げられた言葉を呑み込んでいく脳の誤差に反応が遅れる。そのまま数秒の間が空いて、「光来くん……？」とAが不安そうに俺を呼んでやっと我に返った。



「お、おう！勿論！」
「……なら良かった。」



俺の必死さにだろうか、可笑しそうに笑うその笑顔も可愛くて。気をそらすようにズボンにしまっていた携帯を取り出す。一歩距離を縮めた彼女が携帯の画面を見せて、そこに表示されているアドレスを俺は打ち込んだ。

正面に近距離でAがいるこの状況のせいで打ち込むのに時間はかかったが、無事互いにアドレスを交換できた。「ありがとう。」と微笑んだ顔を直視できなくて目を逸らす。



「これから部活だよね。時間取らせてごめん、頑張ってね。」



ひらりと手を振って、Aは俺の横を通り過ぎていく。……折角彼女は勇気出してくれたのに、俺が逃げてばっかじゃ駄目だろ。そんな考えがぽつりと浮かんで、気づけば口が開いていた。



「……この月曜、どっか行きませんか。」



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