【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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「光来くん、うまくやってるかな〜。」



ひとり呟いた声が静かな部屋に消えていく。好きな人と2人で帰るって、これ以上のチャンスないと思うけど……なんせ(人1)さんのことになると急に意気地なしだもんな〜。あ、この間の告白は例外ね。

まあでも、その例外的対応だったあの告白以来確実に光来くんの中で何かが変わっている。最近は目が合うとコンタクト取ってるみたいだし、今日の練習中だってピースサインなんて作っちゃって。どんどん近づいていく友達とその想い人の関係がとても微笑ましい。


デートの約束までこぎつけたりしてないかな。それはちょっと急ぎすぎ？まあとにかく進展があることを祈るばかりだ。でなけりゃ俺が"セッティング"した意味がない。


だって普通に考えたら出来すぎた話じゃないか。帰りの時間が一緒になって、お互いの友達が急遽一緒に帰れなくなる、なんて。まあ光来くんも(人1)さんも鈍いし、多分気づきやしないけど。違和感を持たないってそれもそれで凄いと思う。

(人1)さんが見に来てくれると言った日から決めていた。だからあらかじめ彼女と一緒に見に来る友達の女の子に声をかけといて、一緒にその日光来くんと(人1)さんが2人で帰れる状況を作り出したわけだ。



「(無理矢理二人で帰らせたら余計なお世話だって怒られそうだし。騙してごめんね、2人とも。)」



あんまり思ってない謝罪を心の中で述べると、そろそろかなと思っていたタイミングで光来くんからメッセージが届いた。進展あったら教えてね、と俺が送ったまま未読だったから、その返事があるはずだ。



『色々話せたし、お互い名前で呼ぶようになった！』
「……え、それだけ？」



思わず独り言で呟いてしまった。文面から伝わる光来くんの感じだと、偉業をやってのけたかのようなドヤ顔で自信満々な姿が伝わってくる。光来くんにとっての偉業って名前呼びにこぎつけることなの？それって一緒に帰るってなった段階1分で持ち出せることなきがするけどな。

……いや、まあそのちょっとぼんやりした所があの2人のペースだし、口出しはよくない。とはいえまさか、まかさそれだけ……？



『やったじゃん。連絡先は交換した？』
『……あ。』



……絶好のチャンスの進展は名前呼び止まりらしい。



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