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相変わらず私たちは短い会話を交わしては沈黙を続けていた。それでも気まずさを感じていないんだから不思議だ。

今日だけで星海光来という人をとってもよく知ることが出来たし、仲良くなれた気もする。だからつまり、1日で一気に縮まった仲に私はもうお腹いっぱいなのかもしれない。これ以上を求めるなんて贅沢すぎるし、また明日から少しずつ――。



「あのさ、(人1)さん。」
「は、はい!」



突然声をかけられて思わず敬語になってしまった。「なに?」と星海くんのほうを見れば、彼は白い肌を赤く上気させて視線を足元へと逃がしている。その様子にあ、また私をお腹いっぱいにさせる出来事が起こるんだって、ぼんやり分かった。



「もしよければ、だけど……名前で呼んでもいい、か。」



恥ずかしそうにしている星海くんの姿で、彼が勇気を振り絞ったんだなあってことが痛いくらい伝わった。その様子がなんだか可愛く感じて、思わず笑ってしまった。



「勿論いいよ、光来くん。」
「……えっ、今……名前……。」



私と一向に視線を合わせようとしなかった星海くんだけど、驚きの弾みにか私と目を合わせた。「やっと目が合った。」と笑えばハッとした様子を見せて「からかわないでくれ。」と赤い顔のまま眉をひそめる星……光来くん。



「私のこと名前で呼ぶなら私も呼んでいいよね?」
「……じゃあ、いいのか?」
「うん。断る理由もないから。」



その言葉を受けて、光来くんは「そうか。」と太陽のような笑顔を見せた。その笑顔があんまりにも眩しくて、目を背けたくなるくらいに輝かしくて。これが光来くんの魅力なんだろうなと感じさせられる笑顔だった。

すると、次の駅を知らせる車内アナウンスが響く。それは光来くんが降りる駅だった。光来くんは「もうか。」と小さく呟いて、荷物を持って立ち上がる。光来くんは座っている私に「今日はありがとな。」と告げて、更に続ける。



「俺、もっと俺のこと知って貰えるよう頑張るから!」
「……えっと……うん。」



どう返していいかわからなくて、笑顔と短い言葉を返す。次第にスピードを落としていた電車がついに止まって、扉が開く。外へ歩んでいく星海くんを、私も立ち上がって見送った。



「じゃーな、A!」
「!……うん、ばいばい!」



去り際、不意に呼ばれた名前に、少し……少しだけ、心臓が跳ねた気がした。




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赤兎リエ輔(プロフ) - 檸檬さん» レス遅れちゃってすみません…!初々しさを目指しているので、そう感じていただけているようでとても嬉しいです…!初々しさ全開で頑張ります笑 コメントありがとうございます、これからもよろしくお願い致します〜! (2020年3月30日 21時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初々しいの好きです!!!!!!!!!!!! (2020年3月20日 19時) (レス) id: bb7087dd1f (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - なつなつきさん» 謝らないでください〜コメントとってもありがたいです涙 私としてはにやけながら楽しんでいただけているようで嬉しい限りです…! これからもっとにやにやさせられるよう頑張りますので電車での閲覧ご注意くださいっ笑 (2020年3月17日 21時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - lonkuuさん» その甘酸っぱさを目指しているのでそのお言葉が嬉しいです…!!楽しんでいただけているようで何よりです…涙 お褒めの言葉、応援の言葉ありがとうございます。もっと好きになってもらえるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年3月17日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - 赤兎リエ輔さん» またコメントすみません!電車で読むの間違えたぁぁっ。となってます。にやにやが止まりません! (2020年3月17日 11時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2020年1月19日 1時

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