【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。【星海光来】

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ありえない程静まり返る空気。周りは賑やかなのに俺達3人の間だけ時間が止まったかのような静寂に包まれていた。


俺、もしかして相当マズいことしちゃったんじゃ……。だらだら垂れてくる冷や汗をそのままにそっと光来くんの様子を見れば、ぽかんとした顔で数秒固まっていた。それからじわじわと、首から上へ上へ白い肌が真っ赤に染まっていく。

次いで(人1)さんを見れば、彼女もまた信じられないとでも言いたげに立ち尽くしていた。いや、まあ、そりゃそうか。自分のこと好きなんて話、驚かないほうが可笑しい。

無いと分かっていても僅かながらある可能性にすがりたくて、俺は恐る恐る聞いた。



「(人1)さん……聞いちゃった？」
「…………ゴメンナサイ。」



誤魔化しの言葉も見つからなかったのか、(人1)さんは視線をあちらこちらへ彷徨わせながら眉を下げて謝った。彼女に非はないのに謝らせてしまったことが申し訳なくて、とはいえかける言葉も見つからなくて。


多分今俺達3人が考えていることはひとつ。どうしよう、だ。

2人は固まっているし、俺も正直焦っている。不動の昼神だとか言われ始めたけど、流石に友達の好きな人暴露してしまった今はそこまで余裕ない。でも多分、誰かが何かアクションを起こさなきゃ俺達は昼休み中ずっと石の様に固まったままだろう。


俺が何かしなくては。その場しのぎの誤魔化しでもいい、何か……。



「あ、あの！」



静寂を破ったのは(人1)さんだった。俯き加減に声を出した彼女に俺も光来くんも少し驚いて視線をやる。顔を上げた彼女は困ったように、そして少し恥ずかしそうに弱く笑った。



「(人1)って確か私以外にもいるし、その子のことだよね。ごめん、名字同じでビックリしちゃって……勘違い、です。」



あはは、と後頭部をかく彼女の言葉に俺達は目を丸くした。確かに(人1)なら全学年通せば何人かいる。光来くんの好きな人は紛れも無く彼女だけれど、俺はあのとき(人1)さんとしか呼んでないから誤魔化しがきくといえばきく。

ほっと息をついたのは俺だけだった。危なかったねの意を込めて光来くんの顔を見て、彼の表情に驚く。そこに(人1)さんを前にして顔を真っ赤にする光来くんはいなかった。



「……違えよ。他のヤツじゃない。」



確かに、光来くんはそう言った。それから少しあった(人1)さんとの距離をつめて、彼女の目の前に立った光来くんははっきりと言う。



「俺が好きなのはアンタなんだ。」



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