【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ10)

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「貰った！」
「貰っタ！」

今にも角取さんを掴もうとしている障子くんと、そんな彼の背後に角を回した角取さん。しかし、ここで角取さんに予期せぬ自体が起こった。

「助かった――尾白。」

突如表れた尾白くんが1本の角を破壊し、背後にしのび寄っていた角を障子くんは複製腕でキャッチ。そして尾白くんは角取さんの頭から生えている角を掴んで、彼女自身を自分の尻尾で拘束した。

「操作する角発射させなきゃ脅威はないね！」
「Oh!The way you got me…So darn ordinery!」

えっと……角取さんの英語は簡単に言うと「その捕まえ方普通すぎるよ！」って感じかな？尾白くんに通じてないといいケド……。

捕まえた角取さんを自分が持っていくので尾白くんは轟くんのサポートへ向かうようにと、障子くんが言う。けれどその言葉は立っている地面が柔らかくなったことで中断された。今は戦闘訓練中、めまぐるしく状況は変化する。

「角取返してもらうよ。俺ね、意外と友達思い。」

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「どうした、すットロいぜ轟ィイイァア！！あっちィイイイ！！」
「お前も鈍くなってんぞ。」

轟くんと鉄哲くんの我慢比べにも近い戦いは続いていた。随分キツそうな表情の轟くんが炎を纏わせた拳を構える――しかし。

「鉄哲溶けちゃうよ。」

ぬっと現れた骨抜くんが地面を柔化し、轟くんは足をとられた。半燃の使いすぎと鉄哲くんに夢中になっていたことのせいで対処も出来ない。そして地面が柔らかくなったことで建物もバランスを崩し、落ちてきた配管が轟くんの頭に直撃した。

「固める。」と冷静に呟いた骨抜くん。このまま捕まってしまうのか……いいや、そう簡単にはA組は終わらない。

「今度は！外さないぞ、マッドマン！！」

先程の骨抜くんよろしく突如としてその場に現れた飯田くんは骨抜くんの頭に蹴りをお見舞いした。そして倒れている轟くんを抱えてその場を走り抜けていく。鉄哲くんは轟くんとの戦いで随分消耗しているし、そもそも早さで飯田くんに勝てるはずもなく、飯田くんはどんどん遠ざかる。

ただし、勝てないのは速さ。ならば味方とのコンビネーションで倒してしまえばいい。それがこの戦闘訓練がチームである意味だ。

意識も朦朧としているであろう中、骨抜くんは地面と建物を柔化させた。

「鉄哲、これ押せ！」

倒れる建物、巻き込まれる2人。土煙が立ち上り、そこにあった光景に目を見開いた。

「これは……全員、ダウン！！？」