【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ9)

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「鉄哲！轟を捕らえて逃がさない！！圧倒的な近接に範囲攻撃も出す暇無し！」

ブラド先生の実況にぎゅっと拳を握る。こればかりは変更実況じゃない……紛れも無い事実だ。轟くんは熱せられて赤くなった鉄哲くんの攻撃を防ぐばかりでいた。

「半冷半燃、俺には効かねェ！これが限界を超えて手に入れた俺の最鋼峰！！このまま気ィ失うまで分殴る！！」

鉄哲くんの手は止まらない。このまま轟くんがやられてしまうのか――そんな空気に包まれた、その時だ。轟くんが鉄哲くんのほうに手のひらを向けて構え、そこから炎を放出した。

それまで炎を物ともしていなかった鉄哲くんがこれには反応して手を離す。それを不思議に思ったのも一瞬で、その熱のせいでカメラが正常に機能しなくなったところで理由に気づく。単純にこれまでとは火力と温度が桁違いなのだ。

「あっちいいィイイイ！」と叫んだ鉄哲くんは、それでも尚轟くんに向かっていった。荘等暑いはず、それでも彼は轟くんと取っ組み合う。

「我慢比べは得意だぜェェ！！さらに向こうへぁあ！！！」
「おまえ……！！火傷どころじゃすまなくなっちまうぞ。」
「訓練で命懸けねェ奴ぁ本番でも懸けらんねェよ！格上と限界は超えるために在る！！」

その真っ直ぐさは馬鹿らしくもあって、同時に眩しい。チームのことを考えればいったん引くのだって手だし、この訓練の後に支障の残る怪我をしてしまっては元も子もない。……それでも、鉄哲くんの姿はとても輝いて見えた。

そこで障子くんと角取さんのモニターに動きがみられた。今は轟くんの半燃から逃げる角取さんを障子くんが追っている状況だ。

そんな2人の元にも轟くんの炎の温度が届いたらしい。鉄鉄くんを心配したのか少しだけ焦った様子を見せた角取さんが逃げるのを止めて障子くんと向き合った。

「ソーリー、テンタコル。私アクアリウムでいつもタコ見ないスルー、苦手。」
「怖がられるのは慣れている。」
「だから一気にプリズン、勝負つけるね！」

そういって角取さんは操作できる最大数、4つの角を障子くんに向かって構えた。「そうこなくては。」と呟いた障子くんも、腕をたくさん複製させて戦闘態勢を取る。

放たれた4本の角のうち2本をキャッチして、余っている手で角取さんを捕まえようとする障子くん。角取さんは余った2本のうち一本を障子くんの背後へ向けた。

「貰った！」
「貰っタ！」

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