【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ37)

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「気にしなくていいよ。……事実でもあるし。」

自嘲っぽく笑った私に一佳が「A……。」と眉を下げる。物間くんも目線をそらした。2人の態度を受けて、慌てて「違うの、そんな悲しそうにしないで！」と告げて自分が伝えたかったのはそんなことではないと弁明し、話を続ける。

「私は確かに平和の象徴を終わらせちゃった……だから、もっと強くなるって決めたの！もう守ってもらわなくてもいいように、もう誰も傷つけさせないように。

それにあれは訓練だったし、相手を動揺させるのは手の一つだよ。その点ではやっぱり物間くんが優秀だったし、実際私もデクくんもペース乱されたし……。素直に凄いと思ったよ！だから謝らないでほしいな。」

一気につらつらと喋ってしまったけれど大丈夫だろうか。そう心配した私を少し笑った物間くんが「変わり者だよ。」と呟いてゆるんでいた一佳の手から抜けて去っていく。

「ちょっと、物間！」と彼を呼び止める一佳を制して、彼の姿を見た。不器用なところはかっちゃんと同じだ。

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「話ってなんだろう。」
「ねー。」

翌日。私とデクくんは相澤先生に呼ばれて教員寮まで向かっていた。寮への呼び出しだからよっぽどのことなんだろうけど、私とデクくんに共通すること……うーん。

なんて考え込んでいた私達だったけれど、寮の前に立っていた人物の姿を見てすぐに理解した。

「通形先輩！」
「わぁ、エリちゃん！」

そこにいたのは私服姿の通形先輩とエリちゃんだった。なるほど、私達はエリちゃんの個性に干渉し彼女と話せるという点で共通していたわけだ。

駆け寄っていってしゃがみ込み、「元気だった？」と笑いかける。エリちゃんは「うん！」と元気に返事を返してくれた。少し前まで笑うことすら出来なかった彼女の幸せそうな顔に少し胸が熱くなる。

そうしていると足音が聞こえてきた。振り返ると相澤先生と物間くんの姿。意外な人物の登場に驚きながらも立ち上がって先生達のほうを向けば、エリちゃんが物間くんをみて一言。

「ゆうえいの……ふのめん……。」
「アハハハ何言ってんのかなこの子ォ！何言ってんのこの子ォ！？」
「文化祭のときキミのことを雄英の負の面と教えたんだ。」
「僕こそ正道を征く男ですけどォ！？」

真剣な感じで静かに謝罪(というのか分からないけど)の言葉を述べてくれたときの彼とは大違いだ。そんなやり取りにくすりと笑った。

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