【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ33)

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つかまれていた手首にはいまだに熱が残っている。いや、正確に言えば残ってなんていないのかもしれないけど体感的にはそんな感じだ。それほどまでに衝撃的というか、なんというか。一口で言えば照れてしまったのだけれど。

かっちゃんといいイナサくんといい、何故だかこう、なんていうか、私に好意を持ってくれている人は何故こうもまっすぐ直球な人ばかりなのだろう。それが迷惑とかではないけれど単純に慣れない……。

そもそも私なんかの何処を好んでくれているというのだろう。ありがたい話なんだけどやっぱり自分に自信も持てないし……なんとなくからかわれている気分。いや、そう思うのはよくないよね。

静かな廊下に私の足音が響く。いろいろと考えながら玄関に到着して、そこにあった光景に足を止めた。

「あれ……かっちゃん？」
「遅ぇ……。」

下駄箱に背中を預けていたかっちゃんは、私の姿を確認してひとつ舌打ちをして靴を履き替え始めた。「な、何で？」と慌てて問いながら靴を履けば、何でもねえよとそっけなく答える。先を行くかっちゃんに小走りで並べば、彼は黒目でこちらをちらりと確認して心なしか歩幅を狭めた。

このちょっとした気遣いの感覚が中学時代に戻った感じがして少し懐かしい。それと同時にうずうずとわいてくるのはイタズラ心。

「待っててくれたんだ？」
「あ？てめェその顔やめろや腹立つんだよ……！」
「素直じゃないな～。」
「黙って歩けクソが。」

いつまでも変わらないこの空気感に思わず笑みがこぼれる。私のからかいに苛立ちをあらわにさせながら歩くかっちゃんに「どんな話したの？」と問いかければ、クソデクなんぞの話誰がするか直接聞けと跳ね返された。

変わったのか変わってないのか、いや変わってはいることは確かなんだけど……素直じゃないよね昔っから。これをいったら多分怒られるから言わないけど。

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「あれ、デクくん……？」
「あ、Aちゃんかっちゃんお帰り！」

寮にたどり着くと、玄関前にデクくんが立っていた。にこやかにこちらに手を振る彼の横をかっちゃんは舌打ちをして通り過ぎる。

「話の内容はデクに聞けよ。」
「というわけで、待ってた！」

へらっと笑ったデクくんが「じゃあ場所変えようか。」と進行方向を指差す。かっちゃんが寮内に入っていったのを確認して、私もデクくんの後に続いた。

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