【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ23)

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隠れるのを止めて戦場に飛び出す。柳さんと小大さんの前に姿を現せば、2人は一瞬驚いた後身構えた。

「奇襲しかけてくるかと思ったけど、仲間のピンチで慌てて登場？」

仲間のピンチ、というのは予測していなかった。ちらりと横目で見れば三奈ちゃんが立っていて峰田くんの姿が無い。どうやら峰田くんは捕まってしまったらしい。

"策はないけどピンチなので慌てて駆けつけました"って、そう思われているのなら都合がいい。

腕を突き出した私を視界から遮るためにまた板をはり、近づけないようにポルターガイストを連発する。完全に私にしか意識がいってない……今がチャンス。

「お茶子ちゃん！！」

そう叫んだ途端、ポルターガイストが止まった。お茶子ちゃんが上手くやってくれたのだと理解する。

さっき手伝って欲しいと彼女に伝えたのは、私が2人の注意を引くから背後から奇襲を仕掛けて欲しいという事だ。2人の居場所を伝えて、充分に注意が引けたと思ったら合図を送るから、と。

三奈ちゃんに「峰田くんを！」と伝えてから、右を使って足場を蹴って高速で移動する。そのまま板の裏にいる小大さんを捕らえた。ついでに近くにもぎもぎボールがあったからそれにくっつける。これで実質的に拘束したようなものだ。

隣を見れば気絶している柳さんを浮かせて持ち上げるお茶子ちゃんの姿。しっかり柳さんを掴んでから、お茶子ちゃんは私に歯を見せてピースサインをつくった。

「ありがとう、助かった……。ちなみにどうやったの？」
「うなじをトンッ、とね！」
「格闘ゲームみたいだね。」

三奈ちゃんの方を見ればばっちり庄田くんをノックアウトさせていた。小大さんは戦闘不能のようなものだし、柳さんと庄田くんをこのまま牢に入れてしまおう。

デクくんは……どうだろう、大丈夫かな。

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既に捕まっていた物間くんに加え柳さんと庄田くんを牢に入れる。デクくんを待つ間「ホントに彼が勝っていると思う？」とかなんとか色々と物間くんが騒がしかったけど、少ししたら心操くんをつれてデクくんはやってきた。

心操くんも牢に入れられて、これで4-0の1人戦闘不能――つまり。

「第5セット！なんだか危険な場面もあったけど、4-0でA組の勝利よ！」

喜ばしいこと……そのはずなのに、心から喜べない自分がいた。どうしてもデクくんの顔が見れなかった。後ろめたくって……どうしても。

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