【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ14)

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響香ちゃんを守って鎌切くんに爆破をお見舞いしたかっちゃん。しかし鎌切くんは寸前でそれを防いでいたようだった。

それが分かってかっちゃんはさらに追い討ちをかける。流石にかっちゃんとの正面戦闘は避けたいのか、鎌切くんはすぐさま撤退した。

「授業だろーが何だろーが関係ねェーんだよ。決めてんだよ俺ァ！勝負は必ず完全勝利！4-0無傷！これが本当に強ェ奴の勝利だろ！！」

叫んだかっちゃんの音声をカメラが拾う。スタンスは何も変わっていないけれど、明らかにその方法が変わっている。もうかっちゃんはひとりで勝とう何てしていないんだ。

だからといってみんなと協力して勝つぞ、って感じでもなくて……今はまだ勝つために他のやつと協力してやるって感じだけどね。でもそれで充分だ。抜群の戦闘センスを持ちながらも幼稚な自尊心でずっと損をしてきた彼がチームプレーを覚えた、それだけで。

モニターに映るB組の人達は一旦距離をとっているようだ。A組も響香ちゃんの個性でそれを理解し、もちろんブッ倒したい精神は変わっていないかっちゃんは追撃を選択する。

その途中、物陰から表れたのはそれまで姿を見せていなかった泡瀬くんだった。

「音立てずに潜んでたのか！また逆手に……！」
「かっちゃんの性格も響香ちゃんの個性の穴もよく理解してる……。」

飛び出てきた泡瀬くんは棒状のものをばら撒いたかと思うと、その両端をかっちゃんと柱に溶接した。それから逃げていく泡瀬くんに瀬呂くんがテープを伸ばすけれど、ごちゃごちゃしたステージでは捉えきれない。

かっちゃんを捉えているものを砂藤くんが破壊し、動けるようになったかっちゃんはすぐさま泡瀬くんを追いかける。

「くっつけてんじゃねェぞゴラァ！！」と叫びながら追いかけてくるかっちゃんに向き直り、泡瀬くんは防具を装着した。そしてまた棒状の物を撒き散らす。けれどかっちゃんは彼の上を飛び越えた。

「任せるぞ。」

「任、」
「された！」

かっちゃんの背後から現れたのは瀬呂くんと響香ちゃんだった。響香ちゃんがプラグの先にサポートアイテムを取り付け、そこから爆音を放出。それにより泡瀬くんはダウンした。

そして他のB組メンバーを標的にしていたかっちゃんが凡戸くんを目前に捕らえる。

取陰さんのパーツも凡戸くんの接着剤をひらりとかわし、かっちゃんは小規模な爆破を数回繰り返す。動きの鈍った凡戸くんを砂藤くんががっちりとホールドし、確保した。