【ヒロアカ】重力操作系少女は合同戦闘訓練をするそうで。Ⅸ (ページ12)

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395.先手必勝！ページ12

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第4セットのチームの人達が移動を開始している。その中にはかっちゃんもいて、手首をぐーぱーと握って調整をしている彼と目が合った。びくりと肩を揺らしたのは私だけで、かっちゃんは表情一つ変えないままこちらを見ている。

頑張ってねと、私がそう声をかけるより先にかっちゃんが簡潔に言った。

「見とけ。」

それだけ言い残し、チームメイトの皆と同じほうへと歩いていく。彼の表情や力強い言葉を聞けばこちらも何を言う必要もないかと思って、その後姿に少しだけ笑った。

A組のチームは先程行ったようにかっちゃん、瀬呂くん、響香ちゃん、砂藤。B組には泡瀬くん、鎌切くん、凡戸くん、そしてB組のもう一人の推薦入学者である取陰さんがいる。A組きっての戦闘センスの持ち主とB組の推薦入学者、それぞれが曲者を要するチームだ。

「爆豪くんと砂藤くんで火力はあるし、耳郎ちゃんの索敵と入り組んだステージに最適な瀬呂くんの個性！」
「このチーム結構バランスいい感じだよね！」
「でも取陰さんもいるし、B組だって負けてないはず。」

三奈ちゃんとお茶子ちゃんと話し合いながら始まった試合を見守る。序盤で動きが見られない中、ブラド先生の実況が聞こえてきた。

「さて第4セット！A-B共に1勝１分、現在両者互角のように思えるがぁあ！？しかしA組の1勝はほぼ心操のおかげ！！はたして互角と呼べるのか！？」
「酷い言い方だぜブラド先生！」

拍車のかかった偏向実況にもう講義する切島くんたち。そんな彼らの元にそっと歩み寄った相澤先生は「おまえらやめろ。」と静止を促した。

「B組のほうがより深く対策を講じてる、これが事実だ。俺よりブラドのほうが上手だったようだ。」

聞こえてきた相澤先生の言葉に心臓が痛くなる。先生にこんなことを言わせてしまったという思いが膨れ上がってどっしりと乗っかったようだった。

俄然頑張らなくてはならなくなった。相澤先生に、憧れの人にあんなこと言わせなくない。

「遅ェーンだよのろまが！！」

ぎゅっと強く拳を握り締めた瞬間、そんな音声が拾われた。紛れも無くかっちゃんの声であったそれは同じチームメイトであるみんなに投げた言葉らしい。うーん、まあ、らしいっちゃらしいね。

ぐんぐんと進んでいくかっちゃんについていくように第4チームは移動していた。音を聞きながら進む響香ちゃんにお構い無しで勢いよく突き進んでいたかっちゃんが動きを止める。

「止まれ！いる！！」

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