第２２１話 ページ21
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ラケットを高々と掲げるカミュが客席にその先端を向ける。その先に居た人物を目で追うと、そこにはデュークの姿があった。彼はいつに無く険しい顔つきでカミュを見つめている。
そういえばデュークは元々フランスの選手であったと聞いたことがあった。つまり、カミュたちとは同じチームで戦っていたということで、そこには因縁のようなものがあるのだろう。
「デューク……裏切りは革命には必要だ！気に病まなくていい。」
「カミュ……。」
「それに。」と付け加えてすっとラケットの先端を移動させたカミュは、そのラケットをAのほうに向ける。しっかりと合わされた瞳に少し身構えた。
「革命児となりえる選手……日本も捨てたものではない。」
理解し難いその言葉に眉をひそめれば、「よく見ておくと言い。」と少し口角を上げて言い残す。それからカミュはサーブの構えに入った。
ボールを一度地面にバウンドさせてから、そっとそれに口付けをする。
「Je taime……。」
サーブトスをあげた直後、彼を……いや、彼らを巨大な光が包んだ。
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「すごい……。」
それが試合を見終えてまず最初に漏れた言葉だった。いや、正確にはそれ以上の言葉が出てこなかった。簡単な言葉のようで、その三文字に込められたAの言葉にできない心情はいくつもある。
彼のテニスは異端だった。今までに例を見ないそのテニス、今日それを見て少しだけ昨晩彼のいっていたことが分かった気がする。コートでラケットを抱きしめて涙する彼を見れば、尚更に。
「まるでドラマを見ているようだ……。」
誰かの声が聞こえて、Aは息を呑んだ。昨晩彼はテニスの声が聞こえるといっていた。この試合はまるで彼とテニスが織り成すドラマのようで、天衣無縫に似た何かがある。
カミュは自分に声が聞こえるかと聞いた。そしてキミ達も愛し合っていると……確かにそういった。彼のテニスを見るため一応持ってきたラケットを見つめてもそんな気はしないし声が聞こえる予兆も無い。
それでも……もし、自分にそんな素質があるのだとしたら。所詮カミュの思い過ごしだとしても自分の妄想だとしても、もっと強くなれるのならばそれを望みたい。
「(もっと強く……徳川さんのように。)」
無意識に浮かんだ徳川の姿に自分自身に苦笑いをする。と、途端に会場がざわめいた。何があったのか、コートに目を向け、その先にあった光景に目を見開く。
「う、馬……？」
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品！夢主ちゃん格好可愛いすぎます！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します！読んでいて，とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年3月18日 0時
