第２１５話 ページ15
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「……どういうつもりですか。」
先回りをして男の正面に立ち、徳川は問いかけた。目の前に立つ男……リョーガは「何のことだ？」と悠然とした態度で徳川と目を合わせる。
「何を思ってあいつに……。」
「おいおい、俺の勝手だろ？お前に説明してやる義理あんのかよ。」
つーか見てたのな。と付け加えてリョーガはカッッカッカと声を上げて笑った。自分の問いかけをかわされた気がして徳川は不服そうに目を細める。
練習に付き合って貰おうと、徳川はAを探していた。入江に聞いてみればグリップテープを買いに行くと言っていたらしく、彼女を探してスポーツショップにやってきた徳川の目に映ったのはAの視界を覆いその額にキスを落とすリョーガの姿。
言葉にあらわすことのできない感情がふつふつと湧いてきて、行動の真意を確かめようと出口に先回りしたのだ。
「アイツには2度も何も言わずに姿消してるからな。挨拶だよ、挨拶。」
「……まるでこれからどこかへ行ってしまうかのような物言いですね。」
「さあ、それはどうだろうな。」
そういいながらも、それらしく意味深にリョーガは口角を上げる。「何を思って、だったか。」と先ほどの徳川の問いかけの言葉を口にしてから、徳川の隣に並んで小さく言った。
「知らねェふりして逃げてるやつには、到底理解できねーかもな。」
リョーガの言葉に徳川は僅かに目を見開く。そんな彼の横顔を見て楽しそうに笑ったリョーガはそのまま彼の元を通り過ぎて行った。
知らないふり、その言葉の意味に心当たりが無いかといわれれば……徳川はNOだった。けれど自分でも得体の知れないその感情を断定してしまうには早すぎる気がする。実際何か引っかかるというだけで、正体など分かっていないのだから。
「(俺は、Aを……。)」
結局それ以上が出てきそうにも、出す気にもなれず。徳川は本来のAを探していた理由を放り出してその場から去った。もやもやとした気持ちを抱えたまま。
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部屋に帰ってからも、Aはぼうっと先ほどのことを考えていた。果たしてあの行動に何の意味があったのか、考えれば考えるほどワケが分からなくなる。気づくと貼り直していたグリップテープはぐちゃぐちゃになっていた。
自分は何をしているんだと慌てて修正する。それからひとつため息をついた。
「(……何であの時、徳川さんの顔が出てきたんだろう。)」
きっとそれも、答えの出ない疑問。
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品！夢主ちゃん格好可愛いすぎます！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します！読んでいて，とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年3月18日 0時
