第201話 オーストラリア戦 ページ1
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翌日。今日は予選リーグ2回戦目、チーム竹によるオーストラリア戦である。
チーム竹のメンバーは鬼を筆頭に跡部、仁王、遠山、幸村、真田、不二という中学生中心に構成されている。はじめそれを聞いたときは驚いたが、それほどに不安を感じはしないのは中学生の中でも高い実力を持つものが集まっているからか、鬼が居るからか。
控え室でモニターの前に集まり、試合を観戦する。昨日とはまるきり違う緊張感の無さに少し変な感じだ。
『U-17W杯グループリーグBブロック2回戦、オーストラリアVS日本の試合を始めます!!』
第1試合、D2に登場したのは幸村と真田だった。立海の部長と副部長のダブルス、さらに両者とも屈指の実力者であるため期待が高まる。……しかし、コートにでた2人を待っていたのは洗礼だった。
「
会場全体に響き渡るオーストラリア国歌。「これがスイスをも飲み込んだ地元開催国の力……。」と、ポツリと呟かれた言葉にAも顔をしかめる。ただでさえ日本は注目度が薄いというのに、オーストラリアは開催国。あまりにもアウェーだ。
「しかも会場のチケットは数ヶ月前に完売。あの場所に日本の応援団は1人もいないよ。」
「そういうのって、気にしまいと思っても案外響くものですからね。」
入江に続いたAの言葉を裏付けるように、真田はサーブミスを連発。ついにはそのまま1ゲームを譲ってしまった。
それによって更に歓声は大きくなる。「オーストラリア!!」と四方八方から叫ばれる圧はきっと計り知れない。この逆境をどう乗り越えるか、そう思われたが、真田が取ったのは意外な行動だった。
「君がぁぁ代ぉは〜、千代にぃぃいい……八千代に、さざれぇ〜石のぉぉお〜!!巌となぁぁりてっぇ〜……苔の〜むうすぅうまぁ〜あぁでぇ……。
――獅子奮迅、全力で行くぞ幸村。」
大声で真田が歌ったのは君が代、日本の国歌だった。圧倒された観客が静まり返り、真田と幸村は得意気にいきまいている。
崖に上る最中もそうであったように、真田の他者あるいは自身を鼓舞する能力は目を見張るものがあった。やっぱり期待はできそうだと、Aは楽しそうにモニターを見つめる。
息を吹き返した2人の猛攻が続く。しかし、勢いはあるものの中々点が取れないでいた。その理由はオーストラリアの固い守備――
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品!夢主ちゃん格好可愛いすぎます! (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します!読んでいて,とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2019年3月18日 0時