第１７４話 ページ24
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まずボルクの球を返すことが出来なければ勝ちはない。遠くのほうでは乾はあの球を返球できる確立を3％未満と言って見せた。
「あの球を返すには……修さんの已滅無やAちゃんくらいの手首の柔らかさがいるね。」
「でも私の手首じゃ耐えるのが精一杯で返球できないです……。」
入江に返した言葉は謙遜などではない。Aの規格外の体や間接の柔らかさはもちろん手首も同じであるから、確かにいくら手首が立て回転には弱いとはいえ耐えることはできるだろう。しかしその状態で威力のあるボールを返球できるかといわれればそうではない。
全ての必殺ショットを無効にする種ヶ島の已滅無ならば返せるかもしれないが、生憎あそこに立っているのは徳川と幸村だ。
どう対処するのか期待が集まる中、徳川は独特な構えを見せた。あの構えは――。
「阿修羅の神道……！」
「あの小僧にハッパかけられてようやく奴のハングリーさが戻ってきやがったぜ！」
ラケットのグリップではなくスロートの部分をもって構える徳川。マッチポイントという状況下でも彼に諦めている様子は見られなかった。
躊躇なくヴィルベルタオフェを打ったボルク。徳川は変わらずスロートの部分を握り、グリップの部分を腕に当てて固定した状態でボールを捉えた。そしてその球を返球する。
「返したでぇぇっ！！」
ピンチさえも己の成長の糧にしてしまうその姿はAが憧れた徳川そのものだった。無意識のうちにこぶしに力が入り、熱を持った目で試合を見つめる。
徳川はまだ打ち返すことの出来ない幸村の分もヴィルベルタオフェを打ち返していた。いくら返球方法を見出したからと言ってそれは荒業、何度も受けていては体ももたないだろう。それをきっと徳川なら分っているはずなのに、止める素振りは見せなかった。
「ここへ来てまだ義の精神を貫くかよ。」
平等院がそう呟いたとき、徳川がついにラケットを弾かれた。なんとか球は返したが、ラケットを取るよりも先にボルクがヴィルベルタオフェを打ってくる。それに飛びついたのは幸村だった。
駄目だという徳川の制止の声を無視して彼の前に出た幸村は、くるりとラケットを回転させてグリップエンドでボールを捕らえた。
ジャパンのJが描かれたグリップエンドから放たれたボールが一直線に向かっていったのは、応援席で降られていたドイツの旗。幸村は状況を判断して勝ちを諦め、本戦に向けてドイツに堂々と宣戦布告をしてみせた。
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赤兎リエ輔(プロフ) - ミズチーさん» とても温かいお言葉を…ありがとうございます…！！どうにか乗り越えてきます！そのお言葉が本当に頑張る糧になります…更新は遅いですが、ご期待に沿えるよう精一杯頑張らせていただきます！ (2019年2月20日 0時) (
レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - 蜜さん» ご愛読ありがとうございます！感謝感激でもう…感無量です…！応援の言葉ありがとうございます、とても励みになります！少々お時間はいただきますが、気長にお待ちいただければ幸いです(*´｀) (2019年2月20日 0時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ミズチー - テスト大変だと思いますが、頑張ってください！とても面白いので更新遅くても待ってます！ (2019年2月19日 21時) (レス) id: 402d306b68 (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。テスト大変だと思いますが、更新心待ちにしております。頑張ってください！ (2019年2月19日 16時) (レス) id: 372926e5f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年2月18日 3時
