【テニプリ】 U‐１７の１番コートには女の子がいるみたいです。2 【U‐１７】 (ページ5)

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第５５話ページ5

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その後、昼と夕方の丘のチャレンジに中高生ともに失敗。1日が過ぎ去り、また同じ日を繰り返す。ラリー練習などにはAも参加して、着実に実力を伸ばしていった。

1日、1日と日が流れていく。そしてその時はついに訪れた。

夕方のチャレンジ。三船がスタートを切るとともに中高生全員が全力で駆けあがる。そんな中でまず先頭に立ったのは越前、次いで越前に負けまいと遠山が飛び出す。

Aの目から見ても越前のペースはとてもよかった。足も踏むべきところを踏みしめ、力強く前に進んでいる。

しかし、ここで高校生が2人あがってきた。越前と遠山をぬいて一気にトップにたった2人に喰らいつくように越前も走る。

「……決まりますね。」
「……。」

Aの言葉に三船は言葉こそ返さなかったが、その瞳はしっかりと頂上を見据えていた。そして指笛を吹き、ボールが落とされる。

そしてそのボールが何者かに打たれ、三船の元へ返った。その事実に場が騒然として、打ったのは高校生か、中学生か、それを確認しようと頂上を見上げる。その頂上で高く拳を掲げてたっていたのは遠山だった。

「打ったモン勝ちやー！！」

その言葉が中学生が勝利したことを告げた。「やった！！」と喜ぶ中学生、落胆する高校生。ただAは打ったのは越前じゃなかったか？とひとり首をかしげた。

とにかく、これで中学生が降りてくることが決まったということになる。面白いことになりそうだと、賑わう中学生達を前にAはひとり目を細めた。

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「それじゃあ今日もお疲れ様でした。」

練習を終え、いつも通り三船に言葉をかけて返ろうとしたAを「まてい。」と三船が呼び止める。足を止めて振り返ると、相変わらずAには背を向けて座った状態で三船は告げた。

「今日でお前の役割も仕舞いじゃ。明日からは通常通り、向こうの練習にもどれ。」
「……じゃあ中学生達は早朝にでも崖を降り始めるんですね。」

楽しみだなあ、とAは進もうとしていた方向に再び体を向ける。それから、ポツリとこぼすように言った。

「また、お世話になりました。」

1年前も今も、三船はいい意味で変わらない。「くだらんこと言ってねえで早く帰れ。」なんて冷たく言い放つのもその証拠。

笑みをこぼしてから、Aは崖を降り始めた。もう暫くは登ることがないであろう、その崖を。

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