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「そんなん……聞きてえわけじゃえねンだよ。」
オールマイとの言葉を受けて力なく座り込んだかっちゃんは、「おまえ。」とすっかりボロボロになったデクくんをよんだ。
「1番強え人にレール敷いてもらって……敗けてんなよ。」
「……強くなるよ、キミに勝てるよう。」
そんな2人の会話を聞いてから、私はオールマイトに「デクくんと貴方のことを知っているのは？」と問う。
「リカバリーガールと校長……生徒ではキミ達だけだ。」
私達だけ……。よほどバレちゃダメなことなんだろう。それをかっちゃんも分かっているようで「バレたくねェんだろ、オールマイト。」とはっきり言った。
「あんたが隠そうとしてたから……どいつにもいわねえよ。クソデク見てえにバラしたりはしねえ。――ここだけの秘密だ。」
それからオールマイトは話してくれた。
ワン・フォー・オールとはどんな力であるか、かつてオール・フォー・ワンによる重大なダメージで力は衰えていたこと、そして後継者をデクくんに選んだこと、このことがばれたら力を巡って混乱が起きることなど……隠そうとしてきたことの全てを。
「結局俺のやることはかわんねえや。……ただ、今までとはちげえ。デク。」
デクくんに声をかけたかっちゃんははっきり告げた。
「俺も全部俺のモンにして上へ行く。"選ばれた"おまえよりもな。」
「じゃっ……じゃあ僕はその上をいく。行かなきゃいけないんだ……！」
「だからそのてめェをこえてくつってんだろうが。」
「いやだからその上を行かないといけないって話しで……。」
「あ"あ"！！？」
「やめなさい。」
怪我とか遠慮なしにかっちゃんの後頭部を叩くと、「何すんだクソが！」といつもの調子で叫んでから少し静かになったかっちゃん。「おい。」と私を見ながら言った彼は続けた。
「今度はぜってえ……俺が守る。」
「……うん。」
大人になったな……かっちゃん。そんな思いでなんだかいっぱいになって、「うん。」と彼に笑顔を向けた。
――そんな私達を待っていたのは安眠ではなかった。
「試験を終えたその晩に喧嘩とは元気があって大変よろしい。」
デクくんWiht私、それからかっちゃんをギリギリと捕縛布で締め付けるのは相当怒ってらっしゃる様子の相澤先生。忘れてた、先生に怒られるってこと忘れてた……！
あ、でも……でも、一つ言うとしたら……相澤先生のラフな格好と髪まとめてるのかっこいい。
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2017年11月4日 3時
