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かっちゃんに投げられてから体制を整えたデクくん。彼は少し笑っていた。
「何笑ってんだあ！？」と右腕を振りかぶったかっちゃんは、その攻撃をよけたデクくんに「サンドバッグにゃならねんじゃねえのかよ！」と叫んだ。
「ならない！」
「どうせまた何かたくらんでんな！」
デクくんに向かってスタングレネードを放って視界を奪ったかっちゃんは「そういうのが気色悪かったんだ！」と容赦なく爆撃を喰らわせた。ふっとんだデクくんを気にすることなく、かっちゃんは叫ぶ。
「どんだけブッ叩いても張り付いて来やがって！何もねえ野郎だったくせに！俯瞰したような目で！！見てきやがって！まるで全部見下ろしてるような、本気で俺を追い抜いていくつもりのその態度が目障りなんだよ！！！」
そんな彼の叫びに「そんな風に思ってたのか……。」と呟くように言ったデクくんは続けた。
「そりゃ普通は……馬鹿にされ続けたらかかわりたくなくなると思うよ。でも、今言ってたように、何もなかったからこそ……嫌なところと同じくらいキミの凄さが鮮烈だったんだよ。僕にない物をたくさん持ってた君は……オールマイトより身近な"凄い人"だったんだ！！
だから……ずっと――！！」
蹴り上げた足を思いっきり振りかざしたデクくん。それはしっかりかっちゃんを捉えた。
「キミを追いかけていたんだ！！」
そんな彼の本心と一緒に。
そしてまた攻防が繰り返される。変わった点といえば……なんだかデクくんのギアが上がった気がするってところだろうか。ほぼ互角に渡り合う2人に拳をぎゅっと握る。
「こんなもんかよ！！」
「はああああ！！？」
飛び上がったデクくんは足じゃなくて腕を構えた。ソレを思いっきりかっちゃんに振りかざし、彼の顔にしっかりと拳が入る。
決まった――？そう思ったその直後。
「敗けるかああああ！！」
そう叫んだかっちゃんは空いていたほうの手でデクくんの腕を掴むと、そのまま爆破にのせて真下へ投げた。
激しい爆発がおこって何も見えなくなる。慌てて右手の個性をつかってその爆煙を上空へ浮かせ、そこに広がっていた光景に息を呑んだ。
「……俺の勝ちだ。」
ボロボロな姿でデクくんを地面に押し付けるかっちゃん――そんな光景に。
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2017年11月4日 3時
