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その後、準備期間として10分が与えられた。トイレとかは大丈夫そうかな……キンチョーする……。
「胃が痛い……。」
「あはは、怖いよね……。」
「私災害救助向いてないんだよね……透明だから……。」
「うちも向いてない……。」
「みなさん！そんなにネガティブになってはいけませんわ。自信をもっていきましょう！」
「ヤオモモはりっきってるね〜！」
「でもやっぱり緊張するわね……。仮免許、とれるといいけど。」
なんて女の子達と会話していると、「緑谷ァ！！」なんて上鳴くんと峰田くんの声が聞こえた。びっくりしてそっちを見るとなにやら緑谷くんに迫ってる2人の姿。
「何してたんだてめェはァ！？俺達が大変なときにてめェはァ！？」
「試験中だぞナメてんのか人生を！！」
2人に頭や服を掴まれてそんなことを言われたデクくん。「わ、痛いやめて何！？」なんてデクくんが返すと、峰田君が必死な感じで言った。
「とぼけんじゃねえ！あの人と！お前は！何をして――」
峰田君が指を指した先にいたのは開始直前に私をとみんなを分離させたケミィさんだった。騒ぎが聞こえていたのか、ケミィさんはこちらを見ていて峰田君たちと目が合った様子。それからニコッと笑って手をひらひらとふった。
それに対してさらにデクくんに突っかかる2人。あの人デクくんにまで絡んでたんだ……。
と、そんなこんなしていると士傑の方が私達雄英のほうへやってきた。見た目の凄い人がかっちゃんの前で立ち止まってなにやら話を始める。
「Aさんあの時はホントすんませんした！！」
「……いいよ、絶対許さないって決めてるから。」
「えっ！」
かっちゃんたちが話してるときにイナサくんが謝ってきたけど許してやるものか。根に持ってやるから。
すると「雄英とはいい関係を築きあげていきたい。すまなかったね。」と見た目の凄い人は言い、私達に背を向ける。みんないい関係、という言葉に引っかかったような面持ちをしていて、それは私も同じ。
そんな時、轟くんが歩き出したイナサくんに声をかけるのが見えた。2人に目をやっていると、急に誰かが「やっほー。」と、私の前にとびこんできた。
誰かって言っても1人しかいないね。
「1次うかってよかったね。」
「……現見、ケミィさん……。」
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2017年11月4日 3時
